一般社団法人 スポーツ吹矢振興協会
千葉県 流山市フジタカ支部
1119 大会成績:流山市市民大会
アドバイス更新
1117 トップ:段位取得者、マスターズ四段
健康:ページ追加
1102 トップ:ご挨拶
上級公認指導員更新
大会成績:青柳杯
諸規則:会則更新
レベルアップのアドバイス 94
前回からの続きです。筒を上げるときに油をこぼさないように、やさしい動作をするように記載しました。多くの方から、そっと上げるとか、力を抜いてあげると自分にいい聞かせても上手く行かないという話がありました。当然のことだと思います。心技体という言葉に通じるのですが、具体的に説明することが必要なのだと思いましたので、私なりの言葉で表現します。
まず、どのようなスポーツでも力が抜けなければ一流にはなれないことを認識してください。そこで一番大切な「筒を上げるときの心構え」ですが、力を抜きながら少しだけ両方の肘をたたむというか、たたみながら上げるようにしてください。
まず、それを実践してみた後に、今度は肝心かなめの息ですが、3秒から9秒、そして筒を上げるまで丹田に気持ちを集中させてください。吹く瞬間は的の後ろ(1mくらい)後ろを考えて吹けば体の動きは小さくなります。(少し難しいかな)
次に筒の上げ方を考えてみましょう。速度が速い方も遅い方もいますが、大切なことは自分なりの同じ速さがいいと思います。何故一定でないといけないのかですが同じ速度でないということは速度が変わる時に力加減も変わるからです。
参考までに自分で速度を変えて上げて見てください。そうすれば特に左ひじにかかる負荷が変わることがわかります。さらにわかりやすく言いますと、筒をしゃくり上げる方は左ひじに必ず負荷がかかるので筒先が動くために矢の行き先がばらつきます。
吹いた瞬間に矢の先が動くのは、いくつか原因が考えられますが、まず、体が(頭)が止まってないこと。次に筒を支えている左ひじに力がこもっていること、そして矢を吹かないで筒ごと吹くことです。上記のことを一カ月で試してみてください。次回はさらに重要な、どうして吹矢に腹式呼吸が大切かについて論じてみます。
レベルアップのアドバイス 93
前回、吹く時に身体を止めるのがいかに大事かという話をしました。具体的にそれを解決できる方法を記載しましたが、わかっていても出来ないという話が多くありました。そこで、さらに具体的な話を記述しなければなりません。
でも、それは最終的には、本人がどれだけ本気で意識できるかにつきます。まず点検したいのは、何故、吹く時に動いてしまうかです。一人一人によって異なりますが、大半の方が的を大事に見ていないことだと思います。つまり、的に対して矢を打つという気持ちが多くあるためかもしれません。ここで大事なことは矢を真中に入れることではなくて、しっかり目標を決めて見たまま吹くことなのです。残身という言葉はそのためにあります。つまり吹き終わった時に身体を止めると同時に心も止めるということなのです。
ここまで記載しましたが、真意が伝わらないかもしれませんので、さらにわかりやすく記述します。基本動作は何のためにあるのかということです。結論から言えば、腹式呼吸をしっかりやるためと、吹く時に身体を止めるためなのです。どのようなスポーツでも同じですが、吹く瞬間、打つ瞬間などで呼吸が一定でなければ一流にはなれません。
上記のことに関連する重要なことをつけ加えます。
筒を上げるときにいかに力を抜くかということです。前にもお話しましが、筒を上げるときに左ひじの力を抜くことが大切だと記載しました。ところが力を抜くつもりでも上手くいかないという話がありましたので、どうすれば力が抜けるかということを考えてみました。「油断大敵」という言葉があります。油断という言葉は仏教用語で、「涅槃経」に王様が臣下に油の入った一つの鉢を持たせて、行動するときに一滴でもこぼせば、お前の命を断つといい、それをしっかり守ったという話からきています。日本でも江戸城で貴重な油をこぼしたら命が断たれるといわれたという話があります。つまり大事に扱うことのたとえ話です。
さて本題です。筒を上げるときにどうしても力が入ってしまう方へのアドバイスです。筒を上げるときに油断、つまり油をこぼさないように気持ちを入れて上げればいいと思います。それは早くても、遅くてもいいのです。自分なりに油断しなければ成功です。次回は、その他の動作での油断をどうなくせばいいのかを検証してみましょう。
レベルアップのアドバイス 92
前回につづいて、体を止めて吹くという方法を具体的に考えていきましょう。六段位受験講座で実験したことを記載してみます。
体を止めようと考えても簡単には出来ません。そこで考えついたのは2つのことを意識することです。
1つは絶対にやらなければならない、スポーツウエルネス吹矢式腹式呼吸法です。その方法は、胸になるべく息を入れないように肩を出来るだけ動かさないで丹田に気持ちを集中するようにすることです。今までの自分の吹き方に、それを加えるだけでも安定します。
2つ目はいくつかの方法の中から自分に合うものを取り入れます。
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頭の後ろ(後頭部)に神経を集中させたまま吹く。
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的を見たまま吹く(残心をすると自分にいい聞かせる。的を見て吹くのではなく、的を見て、見て吹く)
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吹く前に左手(右利きの場合)中指に神経を集中させる。
(中指の先をそっと筒に触れさせるような気持ち)
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背筋を伸ばしたまま吹く。
(特に体が前に動く方には効果的)
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吹く時に両方の肩の力を抜くようにする。
上記の実験は、それぞれ5本ずつ吹き、どれが自分に合うか検証しました。人によってどれが一番いいかは異なりましたが、2つのことができた場合は極めていい成績になりました。
次に精神的なことを考えてみます。(心構え、気持ちのあり方)
誰もが間違うのは、点数や成績のことに気持ちが多くいくことです。つまり、点数を追うのではなく、いい形の吹き方を捜すことが大切で、安定した成績になるということです。
少しかみ砕いてわかりやすく話します。矢が中心から大きく外れた時のことを考えてください。多くの方は、そのあとの動作が早くなったり、おざなりになったりします。中には「あれっ」とか声を出す方もいます。つまり、そのような動作になるのは吹矢というスポーツに対しての考え、取り組み方が悪いということなのだと思います。楽しければいいから、動作などどうでもいいという方もいますが、それは真摯に向かえない方の言い訳だと思います。
人間はクセをつくる動物です。でも真剣に向かい合えばクセを直すことも出来ます。ここまで書き進めると、わかっていただいたと思いますが、「心技体」と言われますが、「吹矢は心で吹く」ものかもしれません。
レベルアップのアドバイス 91
今回は多くの方が悩んでいる、吹く時に体がとまらないということについて検証します。吹矢が上手くなるための重要な要素である体を止めるという難しい問題に取り組んでみます。
止まらない原因は多くあり個人個人によって異なるために誰にでも通用するかどうかは分かりませんが、多くの方を指導してきて感じたことを記載してみます。
吹矢の筒は120センチの長さがありその中を矢が通るのですから、体が動かなければいい成績になることは誰もがわかっています。でもそれができないのはどうしてなのかを検証しなければなりません。癖のある方は多くいますが、最終的に吹く瞬間に体が止まっていれば結果はよくなります。これからお話することはすべての方に通用しないかもしれませんが参考にしてください。
まず、「体を止めて吹きなさい」「しっかりくわえて的を見たまま吹きなさい」と指導していても一時的は出来てもすぐに元に戻ります。その原因は明らかで再現試験ができないからです。再現試験というのは多くのときに使われます。例えばモノづくりなどですが、それができなければ同じ製品ができないからです。吹矢も同じで自分が上手く行ったときの再現ができればいいのです。
さてその再現試験をどうするのかですが、今回はかなりレベルの高い話になります。まず、一定の息吸うためにすべての息を吐ききることです。勘違いしている方が多いと思いますが、吹矢で一番大切なのは息を吸うことではなくて、息を吐くことなのです。それができればおのずと息は入ります。
次に大切なのは筒を上げるときに腹式呼吸をして肩を動かさずにお腹に息を入れるようにすることです。それができたらかなり体を止めることができます。中には腹式呼吸を意識しすぎて下半身に力が入るという方もいます。それを解決するためには筒を上げるときに肩の力を抜けばいいと思います。わかりやすく表現すると筒は手で上げないで肘で上げるようにしたらいいと思います。
追加のお話ですが、以前、銀座教室でどうしても吹く時に体が動いている方がいました。その時に指導したのは「あなたは姿勢がいいのだから、吹く時に背筋を伸ばしたまま吹くように意識して吹きなさい」と言いました。するととてもいい状態になり喜んでいただきました。
まずは自分なりに実践して見てください。
次回はさらに具体的に体が止まる方法を記載しましょう。
レベルアップのアドバイス 90
試矢についてのお話です。大会や昇段試験時に行う試矢をどう吹けばいいかとの問い合わせがありましたので、私見ですが記述してみます。よく聞くことですが、試矢はいいのだけど本番の第一ラウンドになると緊張のせいか上手く行かない方が多いようです。
試矢の位置づけは人によって違うのだと思いますが、重要なことは本番でいい結果を出すためなのは誰もが同じです。中にはわざと外すという方もいますが、それは名人でない限りやめた方がいいと考えます。もし緊張感をとくためだというのでしたら、赤い5点の上を目標にしたらいいと思います。
私の取り組みをお話します。試矢は3本でも5本でも1本ずつ内容をチェックします。同じ7点でも何故下に行ったのか、上に行ったのか、右に行ったのかなどを分析しています。その気持ちを持つことで、ただ吹くだけの試矢にならないからです。
さて次に試矢と1ラウンドの第1矢が繋がっているということを考えてください。つまり試矢が1ラウンドと考えることも大切です。その対応策として六段位受験講座で時々やっていることを参考にお話します。それは第1ラウンドの始めの1本だけを集中して吹く練習です。タイマーを使用します。(ない場合は携帯で録音したものを使います)それを何度も繰り返します。1本吹いたら矢を抜きに行きます。それを繰り返すことによって大事に吹く癖をつけることができます。
ちなみに私はスコアーを記録する際は毎回試矢も必ず記録します。つまり、7ラウンドずつ練習するということです。
「たかが試矢と思うなかれ、それに心がなければ一矢入魂など出来るはずはない」参考にしてください。
おまけのお話です。最近、吹矢が以前のように上手く吹けないという方が多くいます。その解決策は実は簡単なことなのです。吹く時に的を見ますが、その時に自分の一番好きなものをイメージするのです。例えば愛犬でもいいし、食べ物でもいいのです。つまりその気持ちが心を柔くして安心して吹けるからです。前に出来たことができないのは、慣れたために欲が出たためなのです。
吹矢が上手くなるのはいい成績にしたいという欲をなくした時なのかもしれません。
レベルアップのアドバイス 89
今回のお話は公認指導員の方が参考にしていただきたいと思います。三段、四段位の方で、突然矢が思うように吹けなくなったという話がありました。あまりにもひどい状況なのでよく分析することにしました。いくつかの問題点がありましたが、一番気にかかったのは、同じように吹けないということでした。そこで実験的にやってみたのは、基本動作をしないでいきなり筒を的に向けそこで矢を入れて鼻から息を吸い吹いてもらいました。つまり、体験会の最初にやる方法です。
その時、声をかけるのは「そのまま鼻から息を吸って、レントゲンを撮影するときのように、一度体を止めてから吹いて」と言います。すると思いの他上手く吹けます。それを何度か繰り返すと修正できることが多いです。また、それでも上手くいかない方には10mから8mに戻して吹くこともいいと思います。スランプを脱するためには一度原点に戻ることが大切だと思います。もっとも「スランプ」という言葉は、野球の王貞治さんや大谷翔平さんのような一流の方の言葉なので、私たち凡人は「ただの迷い」なのかもしれません。
次に吹矢を始めて間もない方で、それまで順調に成績も伸びていた方が、突然上手く吹けなくなったといわれました。運転でも同じですがある程度できるようになると何も意識しなくても上手くいくと思いがちで、上手くいかないと吹く時に余分な力が入ります。この場合、力を抜けばいいといってもなかなかできませんので、ある提案をします。それは筒の口部(白い部分)のくわえるのを少なくすることです。つまり普通は6割程度口に入れますが、それを2割から3割くらいにします。そうすると不思議に少し吹く時に力が抜けます。それを繰り返して上手くいったら元のように少しずつ6割に戻したらいいと思います。
レベルアップのアドバイス 88
矢が、ばらついて上に下にも、右にも左にも行ってしまう、どう練習したらいいのかわからなくなっているという質問がありました。難しい問題ですが解決する方法を考えてみましょう。いくつかの原因が重なっていることが多いので、順番に直していきます。
まず初めにやるのは、吹く息を一定にすることです。いくつか方法はありますがまずは筒を上げるときに、今までより多く息をお腹に入れるようにしてください。
次にしっかりくわえて体を止めて吹きます。的は赤い部分の下と上に横に線を引くか上と下の部分を隠してください。分かりやすくいいますと、的を上から三等分して真ん中だけを目指すようにします。つまり上と下に行かないことに神経を使います。
吹く時に体がとまらないことは誰もがわかっていて出来ないものです。そこで方法としてまず背筋を伸ばした状態で吹くというようにして下さい。次に吹く時に体で吹く、つまり筒を吹くのをやめて矢だけを吹くという気持ちをもって下さい。さらに具体的に表現しますと口だけで吹くようにしたらいいと思います。
上下に矢が行かなくなったら、今度は左右に行かないようにしていきましょう。的は、今度は縦に三等分して真ん中だけを使うようにします。左右は隠してしまいます。左右に行く原因もいくつかありますが、まず的に対して正対することが大切です。その方法を考えてみましょう。正対する方法で一番よく高段者がやっているのは、赤の5点の部分だけを見るように心がけることです。自信がなくてできないという方は的の正面を見るときに、人の目は優れていて、あるところまで頭を動かすと自分の肩が目に入ります。それを利用するのも一つの方法です。ただそれだけでは上手くいきません。正対するときにいつも同じリズムで頭を動かさなければなりません。そのために一番有効なのは、9秒で筒を下ろす速さと同じにして流れるように顔を向けるといいのと、さらに同じ速度で筒を上げればさらにいいと思います。
いずれにしても大切なのは筒を上げるときに力を抜くことです。力が抜けていなければ、前出の方法も元の木阿弥になるからです。
レベルアップのアドバイス 87
技術的なことを多く記載してきましたが、少し視点を変えてお話をしましょう。癖というものについてです。人はそれぞれの体格や息づかいや運動などでそれぞれ違いがあります。
それを否定するものではありませんが、癖は直すための言葉なのだと考えましょう。芸術などで人とは違う才能をみせる方がいますが、それは癖ではなく味わいなのだと思います。ここからは私独自の考えですので決して押し付ける気持ちはありません。吹矢というスポーツ程、素直さを求められるものはないと考えています。つまり素直とは余計な動きを排除して自分の息を力まずに矢に向けることだと考えています。そのためには余分な力は出来るだけなくしていくことが大切です。本人が意識しているかどうかはともかく、極めて上手な方は一様に力が抜けた状態で吹いていることを感じます。
私の吹き方が一番いいとは考えていませんが、一番追及していることは自慢できます。段位が上がりそれなりの成績の方を見ていて、このくらいならいいのではないかという気持ちもありますが、直した方がいい癖は指摘しようと考えています。それは同じように吹矢を楽しんでいる仲間には一緒に極めてもらいたいと思うからです。
さてレベルの高い話はそこまでにして現実的な話をします。癖を直すことは成績が良くなることにつながります。全てを一度で語ることは出来ませんので、今回は一つだけ提案します。多くの方が悩んでいる癖、吹く時に体を動かすということです。以前、お話ししたことがありますが、小さな子供を抱えてまま吹いたお母さんは身体を動かさないで吹きます。それを考えてください。忍者が吹矢で相手を倒すときに体が動いてざわざわという音はたてません。このようなことを頭に入れてとにかく体を動かさないようにしましょう。
癖を直すことが成績を良くするのです。
レベルアップのアドバイス 85
腹式呼吸と基本動作の流れについて。腹式呼吸が身体にいいということは誰もが知っていますが、具体的にしっかり認識している方は少ないと思います。何故それがいいのかを簡単にお話します。腹式呼吸をすることによって副交感神経が優位になり全身の筋肉を弛緩させて、横隔膜を上下させることにより体調を整えることが出来るからです。具体的には便通などが良くなります。
さて、その腹式呼吸が吹矢にとっても大切だということを記述していきます。
吹矢が上達するための大きな要因に、体を動かさないということがあります。そのために必要なのは、腹式呼吸によって全身の筋肉を弛緩させることです。力、特に筋肉を緩めることはリラックスも出来て、吹くことに集中できます。もう一つ重要なことがあります。基本動作がなめらかでないと安定して吹けません。そのために腹式呼吸が大切なのです。
少し、かみ砕いてお話します。3秒で息を吸う時に肩を動かして胸に息を多く吸う方が多くいますが、それをしていると9秒で力を抜くことができなくて、筒を上げる動作の時も胸に息を多く吸うようになります。そのような動作をしていては安定した吹き方が出来ません。付け加えますが、基本動作は一連の動きがなめらかでゆったりしないと上級者にはなれません。そのためには動作を止めるようなことはしない方がいいです。例えば、9秒で息を吐ききった後。筒を上げるまでに動きを止める方がいます。そういう方は上げるときに力が入ってしまうために、時々的を大きく外すことがあります。結論としては、腹式呼吸をしっかり身につけて、なめらかで力を抜いた吹き方が一番いいと考えています。
レベルアップのアドバイス 84
何度かお話ししていますが、息の吸い方が分からなくなったという声を聞きました。吹矢に大切なのは息、手、口です。つまり腹式呼吸で一定の息を吸うことが大切で、次に手の力を抜くことです。最後に必要なのは一矢ごとにしっかり口をすぼめることだと思います。
まず、少し違う観点からお話しますが、吹くことを重要視していると体が動くことがあります。私の考えは吹くのはしっかり吐けば出来るので、体を止めることに集中して吹けばいいということです。大会などでいい結果の方を見てみると止まって吹ける方がいい成績を上げています。もちろん、そのための動作が必要ですが、吹く時に絶対体を動かさないという強い意識が大切です。以前、お話しましたが、体験会で赤ちゃんを抱っこひもにのせたまま吹いたお母さんは、体を動かしてはいけないという気持ちから、とてもいい成績でした。
また、レントゲン写真を撮る時に(大きく息を吸って、止めて)と言われます。そのときのように大きく息を吸って、一度しっかり止めてから吹くと安定することがわかっています。これは高段者の方にも参考になると思います。
銀座教室の講師をしていた時に、頭を止めて吹きなさいと言っても、どうしても止められない女性がいました。頭の中では理解していても出来ないことはあります。そこで私が考えたのは、吹く時に背筋を伸ばした感覚で吹くことです。何度かしているうちに驚くほど上達したので、他の方にも勧めました。全員が上手くいったわけではありませんがかなりの確率で頭がとまりました。参考の話です。
レベルアップのアドバイス 83
前回に続いて力を抜く方法を考えていきます。ある方から質問がありましたが、力を抜くと息が入らないということをいわれました。ここでもう一度確認しますが、力を抜くということは余分なところに力を入れないということです。分かりやすくいいますと筒を動かすときに一番関係のある肩の力を抜くことが大切です。そのための方法として肘で上げるようにしましょうと言いました。
そこで実際にやってみてほしいのは、肩の力を抜いてお腹にだけ息を入れるようにしてみてください。本当に肩の力が抜けていれば、むしろ息が多く入るはずです。つまり理論的に言いますと身体の力が抜けていて、お腹(丹田)を意識すれば必ずしっかり息が入るのです。安定という言葉がありますが、安は(安んじる、力を抜く)定は(定めて、動かない)ことです。協会本部の昇段試験の審査員をしていて感じるのは、突然成績が悪くなる方の特徴として息を吸う時に肩を動かし胸に息を吸う方が多いです。
もう一つ力を抜くことについてお話します。これは重要ですし難しいのですが、精神的な心の力を抜くということです。その方法は一度では説明が出来ませんが、少しだけお話します。これは人によって異なりますので参考意見でしかありませんが、上手く行っても行かなくてもどうしてもうまくなりたい方へのアドバイスです。十射の行というものがあります。分かりやすく言いますと10本ずつ吹いて、続けて10本入るまで練習を続けるものです。相当な時間がかかります。集中力も必要です。私の場合は不器用なので毎日5,6時間の練習をして半年かかりました。それができた時に心に余裕ができます。それが心の力が抜けることだと思いました。技術の習得は少しずつというのはなかなか上手くいきません、ゴルフでもそうですが一目散に死に物狂いで練習をすれば何かが見えると思います。練習は裏切らないという言葉がありますが、そこに死に物狂いであればと付け加えます。楽しく吹くためにはある時それをやればいいと思います。あくまでも参考意見です。
レベルアップのアドバイス 82
まず、この文章を全国の多くの方が見ているということがわかりました。質問や多くの疑問に答えていきたいと考えています。そこで今回は吹矢にとって一番大切な力を抜くということを教えてほしという質問にお答えしたいと思います。ただ、すぐには身につきませんので何度か詳しく話すことにします。
力を抜くということはすべてのスポーツに共通した大事な要素です。剣道でも柔道でも名人は力が抜けています。それは特に肘に力が入っていては瞬間的に対応できないからです。野球でもテニスでも同じですが肘に力が入らなくなったら一流になれます。
でもそれが一番難しいことなのです。
そこでスポーツウエルネス吹矢での、力の抜き方を順にお話しします。まず、礼をするときに力を抜きます。抜き方は簡単で筒を持つ手をつまむようにして下さい。次に45度に向きを変えて筒を上げますが、この時に筒は肘で上げるように意識しましょう。その時に大切なことは丹田に神経を持っていきます。それは腹式呼吸をするためで、お腹に息をいれるようにします。9秒で筒を下ろしますがこの時も丹田に気持ちを集中してください。全ての息は吐ききります。筒を上げるときが一番重要です。息を吸う時に丹田に気持ちを集中させて肩が動かないようにします。中には筒を上げるときに体を後ろにそらす方がいますがこれは胸に多く息を吸っているためですので良くありません。あくまでも肩を動かさないでお腹に息を入れるようにして下さい。
筒を上げるのは手で上げないで肘で上げるようにしてください。
ここで質問にお答えします。肘で上げるようにすると肩に力が入るという話がありました。そういう方は肘の力を抜いて筒を上げるようにして下さい。
付け加えておきますが、力を抜くのですから筒を持つ手の力は当然できるだけ抜いてください。自分なりの方法で上手くいっているから、しっかり力を入れた方がいいといい方もいますが、それを続けていて上手くなった方を見たことはありません。
次回も力の抜き方を検証します。
レベルアップのアドバイス 81
昇段試験などで実力が発揮できない方へのアドバイスです。私的なことで恐縮ですが、私はあがり症で試験ではいつも実力がでない時期が長くありました。四段位の受験をしたときの話です。故、志賀賢治師範が十太夫福祉会館で審査をしていた後に、言われたことがあります。西川さんは7点に入っても多くは下に入っています。それは吹く瞬間にほんの少し体が突っ込んでいるからですよと言われました。緊張するとそれが多くなるので、それを克服しなければ上には上がれませんよ。と言われたのです。自分でもわかっていたのですがどうしても直らなく、四段位の試験は7回以上も落ちました。
振り返ってみれば五段位も偶然合格したのだと思います。六段位をはじめて受験した時も思うようになりませんでした。ところがその時に審査をしていた審査員から、あることを言われました。「西川さんは基本動作が綺麗なので、それを見せようとしたらいいと思いますよ」です。それはあがり症の自分にはとてもいいアドバイスでした。それをやって六段位は取得できました。七段位は惜しくも取得できませんでしたが、来年は必ず合格するつもりです。
さて本題に入ります。身体が突っ込む方の分析をしてみました。いくつかの要素があることに気づきました。一つは吹く時に長く持ちすぎる方。もう一つは筒を上げるときに力が入っていることです。さらに付け加えると吹き終わった時に的をしっかり見ていないことです。本人は見ているつもりなのですが。
そこで、参考意見を言います。これができたら上達は早くできます。まず、筒を上げるところから進めます。筒を上げるときは限りなく力を抜いてください。次に正面を向いたら、しっかりくわえることを意識してください。次に頭の後ろに神経を集中してください。そして吹く前にしっかり的を来て吹きますがその時に、吹いた後も的を見ているぞという気持ちをもって下さい。と同時に丹田に集中して意識をしてください。これができたら数段進歩します。
レベルアップのアドバイス 80
今回は、息の吸い方について考えてみました。これは安定した息づかいにも関係します。まず、3秒で息を吸う時に大きく吸おうとするために力が入る方が多くいます。それは吹矢にとっては致命的なことです。身体を動かさないで、息を入れてしっかり照準を合わせなければ上手く吹けません。そこで長年の経験からアドバイスをしますが、3秒で息をお腹に入れるためには2秒目くらいから入れた方が安定します。それは初めから大きく吸おうとすると力が入るからです。次に、正面を向き、筒を上げながら息を吸うのですが、この時も2秒目くらいから吸うと力が抜けるため安定します。
力を入れた方が安定するという方もいますが、それはたまたま上手くいくだけで、吹矢では必ず壁に当たります。吹矢はあくまでも力を抜く方が上手くなることを認識してください。多くの方の意見も聞いていますが、力が入った方で六段位以上になった方は少ないと思います。
もう一つのお話です。せっかくしっかり息を入れても上手く吹けずに的の下に行くことがあります。その原因は、大きく二つあります。一つはしっかり筒をくわえていないことで、吹く前に再度加え直すこともいいと思います。もう一つの原因は筒を上げるときに左手に力が入っているために、筒を口元に持って行くときに筒先が少し下がることです。左ひじに力が入っていれば引く時に必ず筒先は下がります。
今回も参考になる方とならない方がいると思いますが参考にしてください。
レベルアップのアドバイス 79
今回は筒の持ち方を考えてみます。吹く時のことを検証します。まず、右手です、手を大きく開くと人間は海から上がって来た動物なので、親指と人差し指の間に水かきがあります。これはとってもいいものですので利用しましょう。手を大きく開くと水かきは山のようになります。それをそっと親指と人差し指を丸めるようにすると水かきはやわらかくなり子供のほほのようになります。それを使います。筒をそっと握ると吹いた時の振動を小さくしてくれます。よく右手は筒を触らないとか親指以外の指を立てる方がいますが、水かきをつかわないので、たまに大きく失敗することがあります。それに基本動作から見ても美しくないのでやめましょう。
次に左手についてです。まず筒を掌にのせることが重要です。また、いつも平にするようにして親指を上に向かって立てないようにしましょう。これからが大切です。中指の先をそっと筒につけてください。あくまでもそっとです。中には中指が筒から離れるようにそっている方がいますが、それは力が入っているからでいけません。掌にのせた筒は手の首に触れますが、触れるかどうかぐらいがいいと思います。
それから掌の両脇にある人差し指と薬指は中指より数ミリあげましょう。それは指の力を抜くためです。
今回のアドバイスは必ずしも誰にでも当てはまらないかもしれませんが、参考にしてください。
レベルアップのアドバイス 78
前回の続きです。吹矢にとってもっとも重要な息の話です。再度確認しますが、3秒で息を吸う時の姿勢です。丹田に気持ちを集中させて息を吸うのですが、その時に多くの方は肩が動きます。それは腹式呼吸をしているつもりでも、実際は胸に息を入れているのです。それをなくすため方法は二つあります。一つは3秒で筒を上げるときに肩の動きを止めて、肘で上げるようにすることです。もう一つは少し難しいのですが、肩の力を限りなく抜いて、肩から肘までの手を動かすようにすることです。少しいい方を変えますと筒を持っている手先に力を入れないことです。
次に重要なことは9秒で全て息を吐ききることです。自分では吐ききっているという方が多くいますが、大半は吐ききれていません。本当に吐ききれていれば次の動作に全く力を入れなくてもしっかりお腹に息が入るからです。さて吐ききった後ですがここも重要で、筒を上げるときは力を入れずに肘で上げるようにするのですが、この時にも肩が動かないようにして下さい。そうすれば、吹いた時の筒先の動きは少なくなります。つまり、左手の力が抜けていれば支点が柔らかくなるためです。次回は筒の持ち方などをお話します。
レベルアップ特別編 77
数年前に練習時に上手く吹けないときのアドバイスを、一部の方にメモでお渡ししました。それを記載します。参考にしてください。
成績が思うようにならない時の方策
1、全体の動きを少しゆっくりさせる。
2、息を少し多めにお腹に入れる。
3、吹くときに頭を動かさないこと。(自分にいい聞かせる)
4、両目でしっかり赤丸の部分を見て、正対させる。
5、ほんの少しだけ、左手の肘をうちに締める。
6、吹き終わったあと、最後まで的を見ている。
7、思いがけなく悪い点数に入った時、残身をいつも以上に多くとる。
以上の点を心掛ければ元に戻ります。
レベルアップのアドバイス 76
息の話をします。吹矢で一番大切なのは息で、それも腹式呼吸を身につけなければ本当に安定した技量は身につきません。まず、3秒で息を吸うところから進めます。協会本部で長く審査員をさせていただいて、気づくことがいくつかあります。
試矢の5本はそれなりの成績なのですが、第1ラウンドの最初の矢が思うように行かない方が80%くらいいます。その原因を捜すために、一人一人のことをよく観察して見ました。もちろん支部での試験時にもしっかり記録を取りました。その結果、重要なことが発見できたのです。
それは、試矢の時はあまり緊張感がないのか、最初の3秒はしっかり息が吸えていのに、実際に第1ラウンドの、最初の時に何がいけないかを見つけました。それは緊張もあるでしょうが、1本目の矢を入れてから息を吐かないで、3秒の動作に入るからです。つまり、矢を入れたら、最初に地を向けるときに息を吐けば3秒の時にしっかり息が入ることがわかりました。
もう一つ大事なことがあります。それは3秒で息を吸う時に丹田に気持ちを集中して出来るだけお腹に息を入れることです。それから9秒で息を全て、吐ききるのですが出来れば7秒か8秒くらいので吐ききれば、そのあとの動作、つまり筒を上げるときに力を入れなくても自然にお腹に息が入ります。
息は難しいので、今回はこの辺にします、次回はさらに、息について、重要なアドバイスをいたします。
レベルアップのアドバイス 75
有名なピアニストの演奏をテレビで見ているときにわかったことがあります。それは指先に驚くほど力が入り動いているのに、肩やひじに全く力が入っていないのがわかりました。吹矢にも通じることなのであえて提案しますが、肩や手先に力が入った状態で吹けば筒先が動き安定しないのです。
ではどうしたら、肩や手の力を抜くことが出来るかを考えてみました。まず、大切なことは3秒で筒を上げるときに体を動かさないことで、丹田を意識してお腹に息を入れるようにして下さい。次は9秒で息を吐くのですがこの時も重要で、絶対肩を動かさないようにして下さい。
次に筒を上げるときの注意ですが、肩を少しも動かさないようにします。そうするとお腹に息が多く入ります。と同時に筒を上げる両手の力が抜けるために吹く前の筒が動かないようになります。多くの方を見ていますが、ときおり乱れる方の大半は腹式呼吸が出来ていません。例え話ですが、楽器をやる方は知っていると思いますが、腹式呼吸が出来なければ肩に力が入り指先に力が残るため一流にはなれません。高段者の方でもほとんどが腹式呼吸をしていないように思います。それは健康にもっとも大切なことなので、意識してやりましょう。インナーマッスルを鍛えるためには重要なことなのです。
レベルアップのアドバイス 74
今回は誰もが悩んでいる、吹く瞬間の動作を考えてみましょう。基本動作はとても優れていて、その通りにできれば、上達が早いことは証明されています。ところが多くの方は動作が一定に出来ても思うようにいかないことがあります。その原因を考えてみましょう。
まず、心しなければいけないことは、「吸う」息、「止める」手、「しっかりくわえる」口、ことが大切です。つまり、「息」「手」「口」を意識しなければなりません。
では、多くの方がわかっているのに、なぜできないかを検証します。吸うという意味を理解していない方が多くいます。高段者でもできていないのは、腹式呼吸でお腹に息を入れていないことです。そのためにその日によって成績がばらつくのです。次に、手を止めることですが、それは右手も左手も限りなく力を抜くことが大切です。そのためには3秒から力を抜いてください。そして9秒ではさらに力を抜くことが大切なので、筒を上げるときも下げるときも肘で動かすようにして下さい。そうすると力が抜けます。そしてもう一つ大切なのはマウスピースをくわえるときに意識してしっかりくわえなければなりません。それをするためには、少し大きく口をあけてくわえるのもいいことです。さらに吹く時には、的を見ながら(見てではなく)吹くのですが、吹いた後も的を見ているぞと言い聞かせてください。
上記のことを出来たら、頭が突っ込む方は直ります。
もう一つ大切なことは、筒をくわえるときにマウスピースの口部を口の前に出して、頭を動かさないで筒をくわえることです。文面で理解できない方がいましたら、いつでも具体的に動作でお見せします。
レベルアップのアドバイス 73
吹矢にとって大切なことは、力を抜くことです。でもどうしたら、それができるかというと、意外に難しいことだと思います。そこで今回は力を抜くための方法を考えてみます。
まず力が入ると何故上手くいかないのか、から話をしましょう。力、特に肩の力が入った状態で吹くと必ず体が動きます。それは吹矢にとっては致命的な問題になります。そもそも、吹矢の成り立ちから考えてみましょう。吹矢は誰もが知っているように、忍者が使用したもので、彼らが武器として使用した一番の理由は音を立てずに矢を放つことです。つまりそうしなければ敵に気づかれるだけではなく、しっかり的を当てることが出来ないからです。
上手く吹くための方法はいくつかありますが、まず自分が動かない事、そして的を最後まで見ることです。
さて、ここではそれをするために必要なことを考えてみましょう。上記のことをするために必要なことは、力を限りなく抜くことだと思います。ではどうしたら出来るかですが、3秒から力を抜くために筒を手で上げないで肘で上げるようにします。次に9秒で下ろすときにも肘で下ろすようにすれば、動きも一定になり力が抜けます。そして、筒を上げながら息を吸うのですが、この時も肘で上げるように「フワッ」と優しく上げてください。そうすれば力が抜けた状態で的に筒を向けられます。ただし、力は抜いても息はしっかり吸います。そのためには腹式呼吸でお腹に多くの息が入るようにして下さい。
多くの上級者をつぶさに見てきましたが、筒を上げるときに力が抜けていない方はほとんどいませんでした。
ちなみに力が抜けていない状態で吹くと、体が突っ込み加減になることがわかっています。それは吹く時の左手に力が残っているからです。
レベルアップのアドバイス 72
的の見方について。ある方から的のどこを見ればいいのですか?と聞かれました。具体的に話をします。まず両目で見ることが大切です。片方の視力が少ないからといって片眼(かため)で見ないようにして下さい。多くの方が左右の視力に差があります、しかし的に対しては、いつもしっかり両目で見て、そこで自分なりの目標を定めます。例えば的の左下とか右上という方もいると思います。それぞれが決めていつも同じところを目標にしてください。
では的を見るのは何のためでしょうか?ここを誤解している方が多くいます。的を見るのは、実はそこに当てるのが目的ではなく、的に対して自分の体を動かさないためなのだと気づいた方が高段者(六、七段位など)になれるのです。わかりやすく説明しますと、人間の動体視力はとても優れていて、吹いた時に体が少しでも前にいった時には、的はその瞬間、大きくなります。それは意識しないとわからないですが、わかるためにはしっかり残心をとることです。それを会得出来ましたら一段階ステージが上がるのです。
少し話はそれますが、的を見るときに筒先を利用します。そこを見て照準を合わせる方が多くそれは間違っていません。ただその時に筒が二つに見えたりするのでどこに合わせるかわからないという声も聞きます。その場合の方法をお教えします。まず、筒先を的に持っていき(中心)そこから自分の立つ位置にゆっくりもどって来ます。それを何度か繰り返すと、二つ見える筒のどちらかがはっきり見えるかわかります、そうしたら常にそこを見て、それが的のどこかを決めてください。
いずれにしても的を見るのは自分の体を止めるためだと意識しなければなりません。
レベルアップのアドバイス 71
時折、矢が大きく外れる方の対応策。練習時に7点に多く入るのに、急に3点1点に外れる方がいます。その方達をつぶさに見て分析すると、ある共通点があることがわかりました。一つは吹いた後に筒先が動くこと。もう一つは体が動くことです。いずれもいくつかの原因があるのですが、はっきりしているのは体の力が抜けていない状態で吹いていることです。
まず、ここから解決策を考えていきます。3秒で筒を上げるときから肩の力を抜くようにします。次に9秒で筒を下ろすときはさらに力を抜くために「ふわっ」と優しく下ろします。それから正面の的を見て筒を上げますが、この時も同じように「ふわっ」と優しく筒を上げてください。ここからが大切です、せっかく力を抜いて上げたのですから、そのまま右手もそっと優しく筒を包むように持ち、一切力を加えないようにします。
ちなみに筒を上げるときに「しゃくり上げ」するとどうしても左手に力が入ったままの支点になるので、やめるようにして下さい。左手に力が入ったまま吹くと筒先の「ゆれ」が大きくなります。
さて、そのあとに「吹く」のですが、ここである発見をしました。時折、大きく外す方の大半の人は吹く時に右手が動いています。握り直したり、筒をつまむようにしたり、又は吹く時に筒を前に押し出したりしています。
吹く時の支点は左手のと口の2点だけにした方が安定します。したがって右手が悪さ(邪魔)しないようにした方がいいのです。
さて、ここから重要なことをお話します。「いつも同じように吹いているのに上手くいかない」いう方が多くいます。本人はわからないでしょうが「同じように吹いているつもり」だけなのです。良く観察すると、7点に入っているときは右手の動きが少ないのと、人によっては矢が出た直後に右手を動かしています。これはスマホなどで撮影すれば良く分かります。
結論として、まず体の力を抜くこと。特に右手の力を限りなく抜き、同時に左手の力も抜き、的に神経を集中して吹くことが大切です。
レベルアップのアドバイス 70
息の吸い方について
練習会場で「今日は思うように息が出ない」という方がいます。どうして息が出ないかですが、多く吸っていないことが原因の一つです。それを解決するためには、3秒で筒を上げるときに出来るだけたくさんの息をお腹に入れます。3秒で吸った息は9秒ですべて吐ききりましょう。それから的に顔を向け、筒を上げますがこの時も3秒と同じように多くの息をおなかに入れてください。
ここからが大切です。一気に吹くのですが、ただ強く吹くのではなく、しっかり「切る」ように吹きましょう。表現が難しいのですが、口をしっかりすぼめて「ほっ」というようにするといいと思います。参考の話をします。病院でレントゲンの投影をするときに「大きく息を吸って、止めてください」と必ず言われます。吹矢も同じで大きく息を吸って、一度しっかり止めてから吹くようにして下さい。付け加えますが、練習を開始する前に、何本か「から吹き」するのもいいことです。息は重要です。協会の会報に七段位認定者のインタビューが掲載されていました。その中で山田和夫さんが「野球でも素振りが必要で、吹矢もからぶきが大切」といわれていました。
レベルアップのアドバイス 69
吹矢でもっとも大切なことは、吹く息を一定にすることと、体を動かさないことです。言葉にすると簡単ですが、実際には多くの方が上手くいかずに悩んでいます。その二つの要素を安定させるための方法を考えてみましょう。一定の同じ息で吹くというのは意外に難しいものですが、いくつかの要因を守ればできます。まず、3秒で出来るだけ多くの息を吸いますが、この時に丹田(お臍の下あたり)に神経を集中させ、そこに息を入れるような気持ちをもって下さい。
9秒で全ての息を吐ききり、正面の的に正対させてあと、3秒で吸ったようにお腹にたくさん息を入れます。そのあとは的に照準を当て、しっかりくわえてから、切るように吹きます。一定の息にするために必要なことは、常に同じ量の息を吹くことです。
次に、体をいかに動かさないかについてです。まず、ここで絶対的に意識してほしいのは、的は動かないということで、動かない的には1ミリたりとも距離を詰めないということが大切です。そのための方法はいくつかありますが、全て書きますと、一冊の本になってしまいますので、ここでは代表的なことを並べてみます。まず、吹く時の心構えですが、筒を吹かずに矢を吹くということです。的の中心に矢を刺すいう気持ちが強いと、どうしても筒ごと吹き、結果として、体が動いてしまいます。「吹矢」とはその名の通り、矢を吹くものですので、筒を一緒に吹いていては、思うようになりません。矢を吹くということが出来れば、筒先が多少間違った方向にあっても、大きくそれることはありません。
さて、もっとも難しい、矢を吹くためにどうしたらいいかをお教えします。的に筒を向けたときに、自分で筒先が決めた的の、目標場所に消える部分が出来ます。場所は視力など人によって変わりますが、いつも同じところに定めてください。筒先で消えた部分をしっかり見ながら吹くようにすると、体の動きが少なくなります。また、筒をくわえるときに、少し大きめに口をあけて強くくわえて、そのままの状態で、1、2、3、4の一定のタイミングで吹くようにすると、体の動きが少なくなります。
レベルアップのアドバイス 68
的に対して、正面に顔を向ける方法について。的に対して45度、体を向けたあと、まず立つ位置を常に同じようにしましょう。人によっては45度を取れない方もいますが、それはいいので常に同じ位置になるようにしてください。一度位置を決めたあとに動かす方がいますが、それはその都度微妙に角度などが変わってしまうのでやめましょう。また、角度を決める際に、足元を見る方がいますが、基本動作から考えても美しい動作になりませんので、これもやめてください。
足の位置が決まり、3秒で息を吸いながら筒を上げ、そのあと9秒でその息を全て吐ききります。次に正面を向くのですが、ここからが重要です。顔だけを正面に向けるようにして、体、特に腰と肩はゼッタイ動かさないようにして下さい。それが動くようであれば毎回、正面に向く角度が変わってしまいます。
ではどうしたら正面を向けるかということですが、方法は一つしかありません。的の赤い部分に正対すると言い聞かせることです。それには同じ速度で顔を動かすことです。(早すぎ、遅すぎでは安定性が欠けます)その速度は9秒で筒をおろす速度と同じようにすれば正対しやすくなります。
的に向かって顔を正対するのには、大きな意味があります。まず、正対できない方の多くは的に対して正面に向ききってなく少し右を向いたまま吹きます。顔を正対しなくて、的の中心を吹くこうとすると、筒をまっすぐにくわえることが出来ません。とすると吹いた時に矢の右側に息がかかり、それは初速時に筒の右側の抵抗を受けることになり、矢は左側に行くことが多くなります。
しかし、人間は平衡感覚があり、自分の眼などで調節することが出来るために真ん中に刺さることがあります。それはあくまでも誤魔化しの吹き方であり、ある一定以上のレベルアップは見込めません。多くの六段位の方を見てきましたが、顔を正対しない方はほとんどいません。
私事ですが、入会当時から、極端に右を向いたまま吹く癖がありました。これは子供のころから、テレビなどを見るときも、首をかしげてみる癖があり、親からは目は左右いいので、右耳の聴力がないのではと心配されました。その癖がありながら三段位までは認定されたのですが、それ以降成績も良くなく、結局顔を正対する練習をすることにしました。それは自宅の練習場で的の下に鏡を取り付けてチェックするものですが、癖はなかなか直らず、修正期間は半年以上かかりました。その間練習時間は少なくても一日3時間、多い時には6時間を使いました。したがって、正対しないで吹いている方を見るともったいなあと思ってしまうのです。
レベルアップのアドバイス 67
今回は筒を上げて的に向けた時のことをお話します。基本動作の通り、左手の手のひらに筒をのせますが、ここで大事なことは手のひらが水平であることです。少しでも傾いていると、吹いた時にそれが影響して思わるところに矢が刺さります。どうしても水平にできない方は、左手の力を限りなく抜いて、いつも同じところにのせてください。
さてここからが本題です。手のひらを平にしようとするあまり力が入ることが多くあります。それでは平らにした意味がありません。つまり平にした状態で力を抜くことが重要です。まずゼッタイしてはいけないのは、中指が反って筒から離れるようなことです。筒から離れるというのは手のひらに力が入った状態だからです。その次に気をつけなければならないのは、手のひらのせるときに手根(しゅこん)つまり手首に限りなく近い盛り上がった箇所に触るか触らないかくらいにすることが大切です。
経験した中で一番いい方法を教えます。筒をのせる手のひらの人差し指と薬指を数ミリ上にあげて少しだけ筒を包むようにします。そうすると安定感が生まれて、筒が動かなくなります。試してみてください。
もう一つ大切なことは筒を持つ右手です。親指と人差し指の間に水かきがあります。親指と人差し指をそっと握るようにするとその水かきが柔らかくなります。それを利用して筒をそっと握ると吹いた時の振動が吸収されて筒の動きが少なくなります。上級者の方で筒の動きが少ない方は、それを上手く利用しています。ちなみに右手の指を立てている方は支点が口元、手の平、右手の三点になり上手く吹けません。
レベルアップのアドバイス 66
緊張感をとり除く方法。今回はメンタルトレーニングのお話です。まず、何故、緊張するのかから考えていきましょう。上手くいかなかったらどうしよう?上手く吹けなかったことを思い出してしまう。失敗した後に、もう取り返しがつかないと考える。いろいろと人によって異なると思いますが、全てに共通しているのは自信がないことです。
さて、その自信ですが、どこから生まれるかを検証してみましょう。一つはこれ以上できない、というくらい練習時に成功体験を積み重ねること。次に緊急時の自分の姿を想像することです。簡単に説明しますと、家が火事になり中に大切な子供がいたとします。誰もがなりふり構わず中に飛び込む筈です。つまり、やるしかないという開き直りが大切だということです。
審査員をしていて、いつも感じることがあります。多くの方が本番になると、的のいいところに入れたいという意識が多くなり、体が前に突っ込みます。そこで思い出したことがあります。以前、子供さんたちの体験会に来た、赤子を
抱きながら吹いたお母さんが皆さんとてもいい成績だったことです。よく観察して見ると。赤ちゃんを動かしてはいけないという意識が強いために体が動かないことがわかりました。
受験するときにこれを思い出せれば、きっといい成績になります。
レベルアップのアドバイス 65
筒を的に向けた時に筒先がゆれてしまう方。または、吹いた後に筒先が下へ落ちる方へのお話です。まず筒が構えた時に動くのは左手に力が入っているからです。それをなくすためには筒を上げるときに力を抜いて「ふわっと」上げてください。吹いた後に筒先が動くのも同じ原因なのです。また、同時に右手にも力が入らないようにしましょう。さて、具体的な方法ですが、両方の肘の力を抜きながら筒を上げましょう。そのためにもう一つ必要なことは、9秒で息を吐く時に肩の力を限りなく抜くことです。
今までの指摘を直すことが出来ましたら、残身をしっかりするように心の中で念じて、吹いた後も的を見たままにしてください。そうすればかなりの確率で成績が良くなります。参考までに申し上げますが、的をしっかり見ると、吹いた後に、自分が的に近づいた場合に的が大きくなることがわかります。つまり意識としては的と自分の距離を1ミリもつめないという気持ちで吹きましょう。
レベルアップのアドバイス 64
筒のくわえ方についてのお話です。このアドバイスは参考になる方もいますしならない方もいます。筒の口部(白い部分)をどのくらいくわえるのがいいのかということですが、これは人によって違います。通常は6割程度くわえるのがいいのですが、誰もが同じではありません。例えば頭の小さい方は口先から喉沈降(のどちんこ)までの距離が少ないのであまり多くくわえると息が思うように入りません。女性の方で頭の大きくない方は40%から50%くらいでいいと思います。それ以上少ないと吹いた時に安定性がないので筒が動きます。
次に口部にシリコンマウスピースをつけて、歯で噛みながら吹く方がいますが、これはやめた方がいいと思います。まず、長い間に歯茎に負担がかかり歯周病などの原因になります。また、いつもかむ癖がある方は緊張すると、噛む力が変わることがあります。それに、マウスピースが痛むと条件が変わるからです。一番いいのは口笛を吹く時のようにしっかりすぼめることです。上の歯と下の歯をそっと口部に添えるようにするといいと思います。シリコンマウスピースをつけること自体は問題ありません。
レベルアップのアドバイス 63
今回は、誰もが感じている、身体を止めて吹くということについてお話します。多くの方が経験していると思いますが、止めて吹くと思っても止められないことが多いものです。それは何故かと考えますと心の中で的の中心に入れようという気持ちが強くなるからです。それを直す方法を考えました。身体を止めるために必要なことは、吹く前にしっかり筒をくわえるという動作を頭の中で反復することです。それと同時に吹き終わった後もしっかり的を見ていることです。
次に大切なことをお話します。身体が動く原因ですが、動作に力が入っていることが問題です。つまり、最初の動作、特に礼から筒を上げるまでの動きを大切に大事にゆったりとすることです。もう一つつけ加えますと、筒を上げるときに左手の力を抜くことです。(左利きの方は反対)
的は逃げない、逃げない的に吹くのに大切なことは自分が動かないことなのです。
レベルアップのアドバイス 62
吹矢で一番大切なことはしっかり吹くことです。そのためには大きく息を吸うことが大切なのは、前回お話しました。それは矢が上下にばらつくからです。
今回は、左右にばらつく方へのアドバイスです。大事なことは的に対して正対することです。ではどうしたら、それができるかということですが、まず、9秒で筒を下ろし、息を吐くところから検証します。大事なことはその時に肩の力を限りなく抜くことです。それから次に顔を的に向けますが、筒を下す速度と同じにしてください。速度が毎回変わると正対が難しくなります。正対する方法ですが、的の赤い部分つまり5点のところだけを見るようにします。
練習方法としては、例えば45度の向きを決めてから、右隣にある的にまず正対します。次に左隣にある的を正対してください。それから、自分の的を見ればほとんどの方が正対できます。なぜ出来るかというのは簡単で、自分の的を見る前に力が抜けるからです。
レベルアップのアドバイス 61
練習時の注意事項として、いくつか提案しています。それでも上手くいかない方がいますので、再度、文面にてお話します。これは、長く吹矢をやっている方にも当てはまりますので、取り入れてください。
まず、息の話をしましょう。息が思うようにならないという方が多くいます。それは何故かと考えてみました。気が付いたのは、大きく吸わないことと、一度に大きく吸えないのが原因です。つまり、9秒ですべて吐き出していないために、筒を上げるときにお腹に多く息を吸えないことです。
本気で息を吸うのは、女性であれば出産するとき、男性であれば愛する方に告白するときです。それを思い出してください。そうすればおのずと大きく息ができます。そのために、ある提案をします。これは私が協会本部で教えていた時にやった方法ですが、始めに吹く前に数回、大きくからぶきをしてください。そうすれば息の出し方がわかるはずです。
息は人間にとって大事なものです。それは、吹矢にとっても一番重要な要素でもあります。
レベルアップのアドバイス 60
体を止めて吹くということについてお話します。吹矢を始めて数か月が過ぎると、誰もが何故、矢の行き先がばらつくのかと思いはじめます。それはいくばくかの自信ができると、中心に刺さらないことに疑問を持つからです。原因は人によって異なりますが、共通しているのは慣れてくると真ん中に入れようとする気持ちが大きくなるからです。いつも話していますが、的は動きません、動かない的の中心部に刺さらないのは、自分が動いているからなのです。漫才でも間が大切だと言われています。吹矢の間は、的に対して数ミリも近づかないということなのです。
では、それをどのようにしたら出来るかということですが、まず、肩、腕、そして体全体の力を抜くことです。力が抜ければ筒を的に向けたときに、筒先が動きません。力を抜くというのは、簡単ではないので、詳しく説明します。まず、3秒で筒を持ちあげるときに出来るだけ楽に上げます。そして筒を9秒でおろすときには全身の力をフワッととするように抜きましょう。
それから、的に向けて吹きますが、力が抜けていると吹く時にも力が抜けることがありますので、しっかり筒の口部をくわえるということを心がけてください。それと、吹き終わった時に的を長く見るように心がけましょう。残身の意味はそこにあります。残身とは大切な的に心を残すということなのです。
レベルアップのアドバイス 59
長い自粛期間があり、思うように吹けないという話を聞きます。まず、吹矢は嫌々やるものではないと認識してください。つまり、休んでいたから上手くいかないというのは言い訳で、物事に対する考えが休んでしまったことがいけないことなのです。自粛中でもやる気のある方は的を買い求めていますし、家でも練習していたようです。たかが吹矢ですが、その姿勢は生きていくうえで大切なことなのかもしれません。今までのことはともかくこれからは吹矢を本当の意味で楽しくそして真摯に向き合うことが重要なのだと思います。
さて前置きが長くなりましたが、今回のお話は、何故、安定した息で吹けないかということです。心技練磨という言葉があります。四文字にしてしまえば簡単ですが、これがなかなか難しく大変なことなのです。大げさですが武士道を紹介します。私たちが吹く前にどれだけ的に向かって真摯な気持ちでいるかということです。礼を見てもわかりますが本当に感謝を込めている方は少ないように思えます。武士道では礼は最も大切で、礼がしっかりできているものが仮に勝負に負けても潔く思えます。
息が安定しないことですが、それは吹矢に対する礼がないからなのです。それは技術ではなく同じ気持ちで的に対することが出来ないからなのです。そんなことはない、しっかりやっているのだが上手くいかないという方が多いのですが、実は心の中で油断しているのです。例えば吹く時にしっかり的を見て吹き、終わった時もしっかり的を見ている方はほとんどいません。つまり多くの方が武士道の精神を忘れているのです。武士道は自分に克ということを教えているのです。日本人の精神支柱である武士道に興味がありましたら、新渡戸稲造が残した「武士道」をつぶさに解読した、元台湾総統の李登輝氏が記述した「武士道解題」という本を読んでください。そこには日本人の素晴らしい精神が見事に書かれています。
2020年11月
レベルアップのアドバイス 58
吹矢にとって重要な役割がある矢の扱いについてです。まず、大切なことは筒の中を抵抗なく通過するかどうかです。調べる方法は筒の口部ではなく先端から矢を入れ問題なく下に落ちるかどうかを確かめます。問題があるときは矢の調整をしてください。次に矢の寿命についてですが、口径の大きい方が傷んでもよほどのことがなければ問題ありません。矢の機能が悪化するのは矢の先端が刀のようにそってしまった時です。そうなると、飛行機のように上を向いていれば上に上がり下を向いていれば下に下がるようになります。その時が限界です。それを確かめる方法は矢に、矢抜きを入れた状態で矢だけを回してください。その時に先端が弧を描くようになったものは使えません。
次に矢の扱い方ですが使用しないときには保護ステックを必ず使いましょう。形状を保つためにとても大切です。保管時はなるべく矢を横にしましょう。立てていますと保護ステックの重量で膨らんでしまします。矢の変形を直すときは保護ステックを入れたまま日光に当てて、その後陽ざしのないところにおいてください。それを何回か繰り返すと変形は直ります。
使用しているうちに矢がべたつくことがあり、それを気にする方もいます。その場合ウエットティッシュで拭いてください。綺麗になります。
最後に矢の寿命についてお話します。矢の痛み方は使う方によって違いますが、形状が著しく変形した時、特に矢の先についているピンの位置が矢全体の形状から反るようになった時は使用をやめた方がいいと思います。その判断は難しいので支部長、副支部長、公認指導員に相談してください。
レベルアップのアドバイス 57
用具の扱い方について。スポーツウエルネス吹矢は、いくつかの用具を用いてできます。実はその扱い方に重要な意味があることについてお話しします。
まず、筒についてです。筒はいくつかの素材によって製作されていますが、大切なことは主に筒の中をしっかりケアすることです。もちろん5本吹いた後に筒掃除をしますが、それだけではいけません。筒本体を洗うことが大切です。その方法は簡単で、まず筒の中に水をシャワーのように流します。そのあと普段使用している筒掃除用の布に石鹸などをつけて何度か筒の中を通します。そのあとにまた水を流し、最後に乾いた布で吹けば終了です。それは少なくても2ヵ月に一度はしてください。
ちなみに、それを数年間しなかった方の中には筒の中に水垢のようなものがこびりついて筒自体が使えなくなった方がいます。次回は矢の扱いについてお話します。
2020年10月
レベルアップのアドバイス 56
吹矢で最も大切な息づかいについて。
基本動作に当てはめて説明します。
礼をするときに、まず鼻からお腹に吸い込みます。その息は礼の動作をしているときにゆっくりと吐き出します。45度に体を動かしながら息を吸い、筒に矢を入れるときにそれを吐き出します。
筒を上げる前に、すべての息を吐き出していれば、たくさんの息が吸えます。それを9秒で筒を下すときにゆっくりすべての息を吐き出します。
筒を正面の的に向けるときに、また大きく息を吸います。しっかりねらいを定めたら、一気に吹きますが、すべての息を出すのではなく、一部の息(2,3割)を切るようにつかい、残りの息は残心から6秒で筒を下ろしながら息を整えるときにゆっくり吐き出します。
次に2本目の矢を筒に入れるまで、吐ききった息は止めた状態にします。それができれば、また筒を上げるときに大きく息を吸いこむことができます。
簡単に修得はできませんが、少しずつ近づけるようにしていきましょう。
レベルアップのアドバイス 56
今回は誰もが一度は経験のある、スランプの脱出方法についてです。本来はスランプといっていいのは、野球の王貞治さんやイチロー選手など一流の技を極めた人しか使えないのですが、あえて私たちにも当てはめてみましょう。吹矢をはじめて、ある程度上達した時に、思うように的の中心に矢が刺さらなくなります。原因は様々ですが、共通して間違っていることことがわかりました。当支部の五段位の方を分析したところ、7点にも行くけど3点にも行くのは何故かと観察しました。その結果、一つのことに気づいたのです。それは頭のてっぺんの真ん中から両足の中心までの一本の線が動いているのです。そのため結果として体が動き矢も散らばるのです。つまり上達していくときに自然に身に着けていたことが、いつの間にか自然になくなっていました。もうお分かりと思いますが、それを直すのは簡単で、中心軸を動かさずに、筒を吹かずに矢を吹くことなのです。付け加えますと、動作の時に頭のてっぺんに気持ちを持っていくことが大切です。
2020年9月
レベルアップのアドバイス 55
体の力を抜く方法について。剣道や柔道でも力んでしまうと本来の実力が出ないものです。それはどのスポーツでも同じで、達人になれば力が抜けて自然体の動きが出来るのです。
さて、吹矢について考えてみましょう。他のスポーツと基本的には同じだと思います。「心技練磨」という言葉がありますが、漠然としていてその深い考えをしっかり捉えている方は少ないと思います。「心で吹く」と表現してもわかりづらく、理解できない方が多いと思いますので、具体的にどうしたらいいかを考えてみました。まず、礼をするときに的に向かって、人間にとって一番大切な呼吸ができることに感謝します。そして大きく深呼吸をしてください。少し力が抜けたら次の動作の入る前に心がけることを考えます。
力を抜くといっても、本番になるとどうしてもできないものです。そこで具体的な方法です。身体の三つの部分を意識して力を抜くのですが、まず、「ひざ」次に「肩」そして「腰」です。この三部分の力を抜くには、正面から45度を向いた時に、足が浮かない程度に背伸びをして「ひざ」「肩」をほぐすようにして、さらに「腰」を少し下すようにしてください。
文面での表現は難しいので、理解に苦しむようでしたら、声をかけてください。
レベルアップのアドバイス 54
体が的に向って前に出てしまうのをなくす方法を考えてみましょう。まず、なぜ前に動くかということですが、いくつか原因がありますが、いい点数のところに入れたいという気持ちがあるためです。人間は正直な動物で気持ちがそちらにあると身体もそちらに動くのです。鉄道員の動作に指差確認とういうものがあります。これは安全を保つための動作で(右よし、左よし)と指をさしながら行います。その要領で(頭動かさないよし、残身を残すよし)と自分の中で言います。
そう思ってもどうしても動く方は、1メートルの物差しのようなものを背中に入れて、それをベルトの中にまで入れます。そうしますと少しでも体が前に行くと痛くなるので止まります。それと同時に意識が出来るのでいい吹き方になります。これは私がどうしても顔が突っ込んでしまうのを直すためにやり成功しました。以前、お話したことがありますが、キッズフェスタに来た赤ちゃんをひもで抱っこしながら体験をした方が二人いましたが、どちらもとてもいい成績でした。それは赤ちゃんを動かさないぞという気持ちが強いからだと思います。
もう一つは、前に体が出る方の筒を観察すると筒が動いている方が多いことに気づきます。それを直す方法は筒を上げるときに力を抜くことと、筒を吹かずに矢を吹くことです。
レベルアップのアドバイス 53
今まで多くのことを記載してきましたが、その通りなのだが、注意事項の一つをやろうとすると、他のことができなくなる。という話がありました。確かに一度に数点ある修正箇所を同時に直すのは難しいと思います。例えば、しゃくり上げを直すという事に集中すると、他のことができないことが多いです。そこで、それを解決する方法を考えてみました。
それは基本動作を使って修正することです。まず、礼をするときに言い聞かせます(ゆっくりやるぞ)次に、3秒で筒を上げながら(9秒は力を抜きながら吐くぞ)、9秒の時は(筒はしゃくらないでそっと上げるぞ)筒を上げる時は(しっかり的を見るぞ、頭を動かさないぞ)吹く時は、(残心を残して、1ミリも距離をつめないぞ)といいながら動作をします。6秒の時は、(次はもっと力を抜くぞ)と自分の中で言いましょう。
2020年8月
レベルアップのアドバイス 51
吹き終えた後、筒先が動く方が多くいます。それを解決するための方法です。動作をよく観察しますと、筒先が動く方にはいくつかの欠点があることがわかります。まず、吹く時に顔が前に動くこと。次に筒を持つ右手に力が入っていること。または、筒をつまむようにもつこと。などの問題点があります。
順に直す方法をお教えします。顔(頭)が前に動くのを直すのには、いくつかの方法があります。一つは的と口元の距離を一ミリもつめないこと。それには後頭部に神経を持っていきます。吹き終わった後も的をしっかり見ることです。最後まで距離をつめないで的を見ることができれば、的の大きさが変わらないことがわかります。人の視力は凄いもので、誰でも一ミリでもつめると的が大きくなることが認識されます。それを確認する方法があります。鏡の前に立って動作してみることです。
次に筒をもつ右手ですが、一番いい持ち方は、筒を優しく包み込むように持つことです。大切なことは筒を支えるのは掌(たなごころ)と口の二点だけにすることです。したがって、わざわざ支点を三つにする、つまむように持つのはよくありません。
さて、今までのことを直したとして、一番重要なことをお話します。吹いた時に筒先が動く方をよくよく見てみると、左手を上げるときに力が入っていることがわかります。これは例えば、しゃくり上げる方、ゆっくり上げる方、筒先を上にあげてから降ろす方には必ずあります。それを直す方法は一つだけ。左手で筒を上げるときに。「そっと、やさしく、ふわっと」上げることです。これは協会本部の教室で多く試しましたので、間違いなく効果があります。
特に、ある程度の実力がついた方が、スランプになった時にはとても効果が顕著に現れます。
レベルアップのアドバイス 50
的に向かって正面に立つ方法です。天井が低いときの場合は床で判断しないで、天井を見るようにします。人間は下を向くよりも上を向く方が素直にまっすぐ向きやすいからです。天井の高い体育館などの場合は的の後ろに行き、45度の角度のあるものの(新人の頃使用したもの)、長辺を的の約50㎝から1m前に置き、二等辺三角形の頂点から立ち位置を見るようにします。そうするとずれが少なくなります。これは佐原の英傑、伊能忠敬も使っていた方法の一つです。参考までにお話しますが、例えば、私たちが暮らしているところを流れている江戸川の川幅をはかるとします。まず水面近くに行き、右手を肩まで持ち上げ指先を対岸に向けます。その高さのまま、90度、体を動かし土手の方に向けます。その時、指先がさしたところまでの長さが川幅です。したがって多くの台が並んでいる時でも、なくても45度体を動かしたときにまっすぐ右手をあげて拝むように指先を見ますと(鼻の前で)練習時の目安ができます。それをすると安心感がでて気持ちに余裕が出ます。表現が難しいので、練習会場でお見せします。
レベルアップのアドバイス 49
練習しているときに、よく聞く言葉があります。「息が思うように出ない」から上手く吹けないです。いつもより息が思うように出ないのは、身体の中のとりわけ肺機能が眠っている状態だと、思います。したがってそれを起こせばいいので、方法をお教えします。
筒に矢を入れないで持ち、それを的に向け思いきり、数回吹くことです。そうすると眠っていた身体に刺激を与えます。それは同時に口の周りの筋肉を動かしますので、スムーズに吹けるようになります。
次に、いつもより矢が下の方に刺さるときの話です。確かに前段のように息が出ないことも原因ですが、もう一つの要素があります。それは、吹く時に少しだけ口が前に出るためです。それを防ぐ方法は、筒の口部、と口の間を少しあけて吹いてください。鏡を見れば一目瞭然です。やり方がわからない場合は聞いてください。
同じとことを違う角度で変えて説明します。的に向かって吹いた時に、吹いたあとに的が大きく見れることがわかりませんか。つまり、人の目は優れていて少しでも前に体が行くと的が大きく見えます。それを直すことつまり、1ミリも身体を前に出さないという吹き方をすれば、いい結果が生まれます。試してください。
2020年7月
レベルアップのアドバイス 48
残心について。(残身、残芯)とも書きます。協会本部で講師をしていた時に、残身は何のためにやるのですか?と質問されました。私の答えは、残身とは心が途切れないこと、つまり技を終えた後も注意を払うことのためです。と言い、大切なことは残身をするぞと自分にいいきかせることで、それが技量を上げるためですと言いました。さらに付け加えると残心とは武道の精神から来ているもので、心で吹くということなのです。それが心技練磨なのです。
これは仕事などでも同じことが言え、一つの区切りが終わった後に、仕事の中身を吟味して反省することができる方は、次の仕事も上手くやれると思います。
レベルアップのアドバイス 47
七段位を取得した、山田和夫さんの話を人伝えに聞きました。本当に集中していた時、的が近づいてくるとのことです。これは名人だからではなく気持ちというか心の問題なのだと思いました。かつて野球で名をなした、川上哲治さんがボールが止まって見えると言ったのを思い出しました。私たちは迷人ですが、考え方ひとつで名人になれるのかもしれません。
大切なことは、的は動かないこと、アーチェリーのように風に影響されないこと。などを心にきざみ自分の気持ちを的に向けることだと思います。失敗は誰もがあります、調子が悪い時もあります。でも大切なことは吹ける喜びを表現することだと思います。
何事にも通じることですが、練習は裏切らないということです。上手くなりたければ今までより練習すればいいのだし、それができて成果があれば楽しくなるのだと思います。
レベルアップのアドバイス 46
吹いたときに筒先が動く方が多くいます。いくつかの原因がありますが、まず、右手で筒を強く握り、親指と人差し指の間にある水かきを上手く利用していない場合があります。水かきは手を広げると山脈のように切り立って硬くなります。それを防ぐためには親指と人差し指を軽く握るようにします。つまり右手の力を出来るだけ抜くようにしましょう。それができないと筒を掌と口と右手の3点で支えることになり不安定で、筒が動きます。右手の力が抜けるようになりましたら、次は左手の力を抜きます。それはかなり難しく簡単にはできませんが、筒を上げるときに「ふぅっと」上げるようにしてください。そしてもう一つ吹く時に筒を吹かないで、「矢」だけを吹くようにしてください。その3点を実行すれば筒先の動きはなくなります。左利きの方は反対だと考えてください。
2020年6月
レベルアップのアドバイス 45
今回は筒をくわえるときの話です。9秒ですべての息を吐き切った後、大きく息を吸いながら筒の口部を口元に持ってきますが、その時に顔の横から口元に動かす方がいます。これは全体の動きとしてよくない点が多いのでやめましょう。まず、顔の横から筒の口部を持ってくるときに、ほとんどの方が身体(特に頭を後ろに)を動かしています。それは焦点が毎回違うことになりばらつきます。また、そのような動作の後はどうしても筒をくわえるときに自分から口部をくわえに行くため視点が動いてしまいます。
では、それをどうやって直すかですが、まず体重をしっかり腰にのせるようにどっしりと構えます。次に筒の口部を自分の口先より少し前に出すようにしたください。そして頭は動かさずに筒を口に持ってくるようにしましょう。
レベルアップのアドバイス 44
すこし前まで成績の良かった方で、最近上手くいかないという方を数か月かけて分析してみました。一概に言い切れないとは思いますが、多くの方が、基本動作の時に体が動いていることがわかりました。つまり、自分では今まで通り吹いていると思っているようですが、実は身体が動いています。特に腰の動きが重要で、左右に動くとそれに伴い正面に向かえないのと同時に、息も安定しないように思えます。したがって、もう少しどっしりと構えて、吹くことが大切だと思います。そのためには、少し多めに歩幅をとることもいいのかもしれません。ただ、自分の経験から、やはり、目標をしっかり持つことが重要で例えば、六段を目指すという気持ちを持つことも必要だと考えます。
レベルアップのアドバイス 43
礼について、お話します。何事もそうだと思いますが、最初の礼と最後の礼をおろそかにして名人なる人はいません。したがって、上手くいかないときほど、礼を大切にしてください。将棋の世界でも、囲碁の世界でもその道の達人は、礼に重みと趣が備わっています。礼が完璧であればその他の動作もしっかりできており、それがいい結果につながることは確かです。吹矢ができて、感謝をするために一番大切な礼を、しっかりやることを心がけていきましょう。
次に、9秒で息を吐く時の話です。基本動作のマニュアルでは目を全部閉じてもいいことになっていますが、全部閉じた時には身体が動くことがありますので、全部は閉じない方がいいと思います。一点を凝視するか半眼の方がいいと思います。ちなみにかなりの上級者で目を閉じている方はほとんどいません。視線はとても重要です。
2020年5月
レベルアップのアドバイス 42
痛みが同じような的を使用しても、撥ね矢が多い方がいます。よく観察すると、決して息が出ていないのではありません。しかし、それでも撥ね矢のなるのは、吹く時に一気にタンギングのように切るように吹けていないことが分かりました。つまり、同じような息でも吹き方によって矢の勢い(力が)違うことがあります。撥ね矢の多い方も、しっかり切るように吹けたときは、矢がしっかり刺さっていて、しかもいい点数になるようです。
それと、撥ね矢の多い方に残身が少ない方が多いような気がします。しっかり打ち終わって、残身があるときはよく刺さっています。したがって大切なことは、残身をしっかりしようという気持ちが、その前の吹く時に切るように吹けるのです。
レベルアップのアドバイス 41
9m以上の距離で練習している方の練習方法です。8mくらいまでは思い通り、矢がいったのですが、ばらけるようになる方が多くいます。その、原因の一つに打ちに行こうとする気持ちが多いように感じます。いつも話をしているように、的は動かないので、自分も動かなければいいのです。それと、ある程度上達すると、真ん中に入れたいという気持ちが多くなるのも問題です。大切なことは、息を一定にして吹くことですし、それが健康にいいのですから、しっかりお腹に息を入れて、一気に吹く練習をしましょう。息を吐くときは、楽器のタンギングのように切るように吹くようにしてください。さらに、筒を吹かないで、筒に入っている矢を吹くようにしましょう。
レベルアップのアドバイス 40
今回は、かつてはいい成績だった方で、今、思うようにならなくて悩んでいる方の解決方法です。まず本人は「スランプ」だと言いますが、そもそもスランプといえるのは、卓越した技術を一度身に着けた方の話で、私たちはスランプではなく、低迷なのです。ともあれそれを脱出する方法は、一つだけです。初心にかえり、吹矢が楽しかったころをお思い浮かべてください。具体的には、メーター数を短くして確実に吹き込む練習をすることです。辛いかもしれませんが、例えば10mを普段吹いている方は、一週間は8mだけ吹き、次の一週間は9mを吹くと言った方法もあります。銀座教室に来ている方で同じような方にはそう指導しています。ある方は、それでもとに戻りました。
2020年4月
レベルアップのアドバイス39
間合いの話をします。漫才でも落語でも名人は間合いが上手いのです。では、吹矢の間合いは何でしょうか?それは距離を自分で詰めないことです。つまり、せっかくできた吹く体制の後に1センチでも前や後ろに体が動けば、矢の行き先はばらつきます。したがって、吹くときに背筋を伸ばしたまま、動かさないと言い聞かせて吹きようにしましょう。次に大切なのは、息を一定にすることです。これはかなり難しいのですが、まず3秒で息を吸う時にしっかり多くの息を吸い、それを9秒ですべて吐きます。そのあと筒を上げるときに大きく吸いますが、肩を動かさないように、お腹に息を入れましょう。そして、吹くときに1本ごとに後頭部に神経を持っていき、止めて吹くように心掛けてください。
レベルアップのアドバイス 38
一定の息で吹くために必要なこと。まず3秒で筒を上げるときに、出来るだけ多く吸いますが、その時肩を動かさないようにします。そして、お腹を膨らませます。それから9秒で筒を下しながら口からすべて吐くようにします。ここからが重要で、筒を上げながら息を吸いますが3秒の時と同じように肩を動かしません、そうすると腹式呼吸がしやすくなります。なお、思うように息が吸えないからと構えてから再度吸う方がいますが、それは筒先などの安定性に欠けるのでやめましょう。
最近、健康診断でレントゲン撮影をした時にわかったのですが、「大きく息を吸って、
止めてください」そのような気持ちで息を吸えばたくさん吸えるのではないかと思いました。つまり、筒を上げるときに大きく息を吸い込んで、一度しっかり止めると、そのあとしっかり強く吹けるはずです。
レベルアップのアドバイス 37
息を吸うときに、しゃくりあげる方が多いです。その原因は右利きの方であれば、右手に力が入っているからです。右の力が強ければどうしても筒先が下がりそれを直すためにしゃくってしまうのです。それをなぜ直した方がいいのか?それは筒先を上げるときに左手に力が入ってしまい、そのまま吹くと身体の振動が多く伝わるからです。実際にやってみるとわかります。また、右手に力が入ったまま構えるとどうしても筒を強く持つようになり、これも振動を伝えやすくします。
まず、9秒で筒を下すときに肩の力を抜きます。それから息を吸いながら、筒を上げるときに右手の力を抜くようにすればしゃくりあげはなくなります。
2020年3月
レベルアップのアドバイス 36
時折、矢が的の下部分に落ちてしまう方の対処方法。まず、3秒で筒を上げるときに出来るだけ息を多く入れることです。次に9秒で吐き出すときにゆっくり最後まで吐きます。重要なことはここからで筒を上げながら3秒と同じくらい息を吸い込みます。それから、的にしっかり正対して、一気に吹くのですが、大切なことは右手の力を限りなく抜くことと、吹くときに背筋を伸ばした状態を意識することです。1m20cmの筒を的に向けて吹くのに、落ちる原因は息が一定でないか、身体が動いてしまうかの2つが主なものです。これはベテランの上級者でも同じようになるときがあります。
レベルアップのアドバイス 35
レッスンをして感じたことです。的に正対できない方が意外に多いです。なぜ正対しなければならないかを考えてみましょう。正対できないということは、吹く息が矢の中心に当たっていないので、筒内の抵抗などにより矢の行き先が安定しません。また、正対できない方の多くは、吹くたびに顔の位置が変わりやすいです。原因の多くは腰と肩の位置が動いていることです。つまり、45度の角度をとり腰と肩を動かさないで的を見ればほぼ同じところで静止することができます。どうしても直らない方は、的のところに鏡をつけて直してください。私はそれで解決しました。
現在、正面に向いてなくてもそこそこの成績なのでいいと思う方もいるでしょうが、これは必ず直さなければなりません、何故かというと、年齢により視力が落ちさらに左右の差が出てきます。その時正対していれば身体が対応してくれますが、そうでなければ吹矢が嫌になるほど上手く行かなくなるからです。
レベルアップのアドバイス 34
矢の行き先が左右にばらつく方が多くいます。その原因はいくつかあります。まず、的に対して正対していないこと、つまり後ろから見た時に左右の耳が同じ大きさになっていない場合は正対できていません。それを直すには洗面所などで鏡を見て位置を確認してください。なかなか直らないときは的の下に小さな鏡をつけるといいです。
次に45度の角度をとるときに腰と肩の位置がずれている方がいます。その場合多くの方は正面を向くときに腰か肩が動いてしまいます。45度を向いてから的を見るときは腰も肩も動かさないようにしてください。そして、顔だけを的の赤い部分に正対するように心がけます。
2020年2月
ベルアップのアドバイス 33
銀座教室で教えて感じたことです。筒を上げ吹くときに右手に力が入る方が多いです。良い吹き方は、左手の掌一点と、筒をくわえた2点だけにすることです。つまり右手に力が入ると吹いたときの体の動きが筒に伝わり矢の行き先がばらつきます。さらに、右手の指でつかむようにするとこれも振動が伝わりよくありません。
大切なことは、9秒で筒を下すときに肩の力を抜くことと、しつかり息をお腹に吸い込むことです。また、残心をしっかりとることです、残身自体がいい結果を生むのではなく、残身するぞという気持ちが大切なのです。
プロ野球の投手でコントロールがいい人は、最後までチャッチャーミットを見ています。
レベルアップのアドバイス 32
思うように、吹けないときの、理由を考えてみましょう。まず、息をしっかり吸い込んでいないかを確認します。次に、吐くときに、体の動きがないかを考えましょう。そして、ここからが重要です。吹くときに頭が突っ込んでいないかどうかです。いつも、頭を止めて、吹くと話してきましたが、いろいろな方を見ると、それがなかなかできないことが分かりました。ではどう解決していくかですが、一つの方法として、背筋を伸ばしてから吹くという気持ちを持ったらいいと考えました。ぜひ、試してみてください。
さらに、上級者の方は、基本動作通り、リズム感のある吹き方を習得した方がいいと思います。つまり、全体の流れをきれいにすることが、達人への道だと思いました。
レベルアップのアドバイス 31
4月28日に開催された、キッズフェスタであることを発見しました。300名を超える参加者の中で、赤ちゃんを抱っこひもで抱えながら体験したお母さんが2人いました。2人とも上手ですべて5点以内に入り、31点と29点でした。それをよく見ると、子供を動かさないようにと、体がまったく動かないことがわかりました。それを見てこれだ、これが大切なのだと思ったのです。普段、吹矢で悩んでいる方にはよくわかると思います。身体を止めて吹くには、それなりの覚悟が必要なのです。参考にしてください。
2020年1月
レベルアップのアドバイス 30
今回は、吹き終わったときに筒先が下がる癖のある方にアドバイスです。まず大切なことは、息を充分体内に入れることです、それが出来ないとどうしても少ない息で強く吹くため、体が動いてしまいます。
次に、吹き終わるまで、特に頭を動かさないと自分に言い聞かせます。そしてしっかり残心を残すようにします。残心ができるということは、最後まで的をしっかり見ているということですし、丁寧に吹くことが出来ます。
プロ野球の投手で、一番大切なことはコントロールで、それができる人はボールを投げた後、しっかりキャッチャーミットを見ています。
また、吹いた後に、体がそっくりかえる人が時折います。私も、始めた頃にその癖がありました。それを直すためには頭を壁などにつけて、吹く練習をしたらいいです。いずれにしても上達するための、一番の課題は、頭を動かさないことです。
レベルアップのアドバイス 29
矢が的の左右に、偏る人の場合。まず、正面に正対しているかどうかを確認します。それは自分ではわからないので、他の人に見てもらいましょう。原因はいくつかありますが、まず筒がかたむいてないか?を見ます。さらに、立ち位置が、間違っていないかを確認します。
次に矢が上下に大きくぶれる場合の、対策です。大きく、2つの間違いがあります。一つは息が一定でないこと。もう一つは吹くときに頭が突っ込んでしまうことです。どちらも、直すために必要なことはゆっくり動作をすることと、次の動作を頭の中で、いい聞かせることです。(例えば、頭を動かさないぞ、意気は切るように吹くぞ)というようにするといいです。
レベルアップのアドバイス 28
今回は、精神論を述べます。好きこそものの上手なれという言葉があります。つまり、物事を成就させる最大のファクター(要素)は本気で好きになることです。ゴルフでも麻雀でも上手くなるには本気で取り組むことが大切です。
健康のためにやっているのだから上手くならなくてもいいという方がいます。確かにそれも間違っていませんが、どんなスポーツでも達成感がなくて長続きはしません。つまり、どうせやるなら、上手くなろうという気持ちを持った方がいいということです。少しでも上達しようという気持ちが健康で長生きできる源なのです。
2019年12月
レベルアップのアドバイス 27
ある一定の技量が備わったときに誰もが経験することです。それは思ったように7点に入らない状況になることです。その原因は、まず、真ん中に入れようという気持ちが強すぎることです。的と自分の間は10m、的は動きません、ということは、自分が的に近づきながら吹いているのです。落語でも漫才でも間合いというのが命だといわれています。つまり、吹矢の間合いは、呼吸と距離を一定に保つということなのです。
まとめますと、形で吹くことが大切で、そのためには基本動作をいかに身に着けるかが大切になります。動作で手を抜く方は、たまにいい成績になってもそれは偶然のことです。必然的にいい成績になるのは、基本動作がしっかりできているからです。
レベルアップのアドバイス 26
最近、長く吹矢をやっている方で、伸び悩んでいる方、もしくはかつてのようにうまくいかない方をよく分析してみました。まず、最初に言えることは、基本動作がおざなりになっていることです。次に、息をたくさん吸っていないことにより、吹くときに体が動いていることが多いです。そして、正面を向くときにゆっくりした動きがありません。さらに、吹くときに切るように息を出していないことがわかりました。
ある程度の期間、吹矢をやっていると、自分なりの筒先つまり狙い目は、体が覚えています。したがって今日は矢が下に行くから、上を向けるなどといったことは、一番してはいけないことです。それよりも自分を信じて、吐く息を一定にした方がいいのです。
また、うまくいかなかったときに、いつもより少し多めの残心を残すようにしてください。6秒も大切にしましょう。公認指導員の方は特に気を付けてください。一部、雑なしぐさを指摘されています。これは、誰にでも、当てはまりますので、参考にしてください。基本動作の重要性を再認識して、やってほしいと思います。
レベルアップのアドバイス 25
正面を見た後、45度の方向を決めるときの、アドバイスです。まず、足元を見て、角度が保たれているかどうかを確認して下さい。そのためには、自分で新聞紙などで角度を作って下さい。人間は通常45度の角度をとり、身体を動かさなければ、首が少しきつくなったところが正面です。どうしても正面を向けずに斜めから吹く方がいますが、あるレベルになったときにはそれが致命傷になります。したがって、家の鏡などで出来るだけ早く、正面を向ける努力をしましょう。どうしても身体の関係で45度をとれない方は、自分なりの角度でいいのですがそれでも、的に正対出来るように努力しましょう。
2019年11月
レベルアップのアドバイス 24
吹矢の技術上達には一定の法則があることが、最近わかりました。まず入会時から上手な方は、あるレベルに達すると必ずスランプ状態がきます。原因はわかりませんが、集中出来ない内面から来ているようです。その打開策は、朝練習を自宅でやるようにして、集中力を取り戻すしかありません。
次に、練習を重ねていて、ある日ふとひらけたように上手くなる人がいます。その方はたぶん自分なりの感覚がマッチしてこれだと思えたのだと考えます。ところがすぐにスランプがきます。それは型が定まっていないからです。それを直すには基本動作をしっかり身につけ、遠回りしても確立していくのが大切です。次に練習していても、ときどき矢がバラバラになってしまう方です。
それを直してレベルを上げる方法はこの数年多くの人を見てみますと、週に3回少なくとも2回参加している方は確実に上達しています。つまり練習回数を増やすことしか解決方法はないのだとわかりました。
レベルアップのアドバイス 23
家の中で、10mの距離をとれる方は少ないと思いますので、とれない方のための練習方法として、筒だけを使った、空吹きを提案します。基本動作と同じように息を吸い、矢を入れずに吹きます。息を一定にする効果もありますが、筒先の動きをよく見ることが出来ます。矢を使って吹くとどうしても、的を見てしまい、筒先の動きを把握出来ません。
さらに、自宅の練習時に出来れば的のところに鏡付けて(小さくてもいい)目標にすると、正対も確認できます。参考までに、私は毎日トレーニングジムに通ってますが、そこの壁全面の鏡で、45度の角度をとり目をつむって正対する練習を2ヶ月くらい続けたら、平均点が5点あがりました。
レベルアップのアドバイス 22
息を吸うときの工夫。今日は思うように息ができない。という話を良く聞きます。もちろん当日の体調や環境などで変わることもありますが、それを克服するための方法を考えてみます。
まず、息が安定しないということは、お腹にまでたくさん息が入っていないからです。それを解決するために必要なことは、下腹が少し張るくらいまで吸い込むことです。そうすると、脳から安心のサインが出ます。少ないと不安のサインが出ますのでどうしても吹くときに身体、特に頭が動くようになります。どうしてもうまくたくさんの息が吸えない時は筒を上げる速度を早めにしてみてください。
2019年10月
レベルアップのアドバイス 21
息を一定にする方法。まず、3秒で筒を上げるときに、出来るだけお腹に空気を入れるようにします。そうすると、安心感が自分の中にでき、頭が動かなくなります。そして9秒で全ての息を吐き切りしっかり正面を向きます。そして3秒と同じようにお腹に空気を入れます。あとは入った息を切るように(タンギンギング)吹きます。そしてしっかり残心を残します。たとえ思わぬところに矢が入っても、6秒で断ち切ることが大切です。
レベルアップのアドバイス 20
的の狙い方 両目で赤丸に焦点を合わせる。
左肘の余裕 左肘を体の中心側に絞る。
ゆっくり 一定のスピードで、グーンと集中力を高める動作に。
身体、頭を不動 的に正対させ動かさない。腰に上半身をどっかり乗せて、
息のみで吹く。
(志賀副理事長からいただいた資料より抜粋)
レベルアップのアドバイス 19
点数が一定にならない、とかその日によって変わってしまう。などという話を聞きますが、その原因は吹き方などの基本動作がしっかり出来ていないからだと思います。富士山に登るときに、早く登りたいとか近道はないかなどと考えても意味はありません。ただ、ひたすら一歩づつ足を運ぶしかないのです。
つまり、上手くなりさらに楽しくなるには、練習をたくさんすることと、人に意見を聞くことだと思います。ある程度、上達するとマイペースで自分なりにやればいいという人がいますが、それは違います。かつて、野球の広島カープの監督だった古葉監督に会ったときに聞いたことですが、どういう新人が伸びますか?との問いに、即座に言われたことは、素直な人間ですといわれました。多少才能があっても人のはなしをきかない人は、いずれ存在が無くなるそうです。
2019年9月
レベルアップのアドバイス 18
的に対して、正面に顔を向けることが重要です。普段の練習を見ていると、的にまっすぐ顔を向けている方は、半分くらいです。向いていない方の大半は、やや右に向いたまま、吹いています。しっかり正面に向けるようにしないと、その日の調子によってばらつきがあります。
対処方法、どうしても正面を向くことが出来なければ、足の立つ位置を変えましょう。45度より小なくてもいいです。私ごとですが、それが出来ないので、
35度位にしました。それでもなかなか正対できないので、自宅で練習する時に的のところに鏡を置きました。さらに、お風呂に入る前に大きな鏡でチェックしました。
練習を重ねて、一定のレベルになったときに、突然、成績が悪くなることがあります。その原因は大きく2つあり、まず息がしっかり吹けてないこと、それと頭が前につっこむことです。それを修正出来れば元にもどります。
レベルアップのアドバイス 17
矢が的の左右に、偏る人の場合。まず、正面に正対しているかどうかを確認します。それは自分ではわからないので、他の人に見てもらいましょう。原因はいくつかありますが、まず筒がかたむいてないか?を見ます。さらに、立ち位置が、間違っていないかを確認します。
次に矢が上下に大きくぶれる場合の、対策です。大きく、2つの間違いがあります。一つは息が一定でないこと。もう一つは吹くときに頭が突っ込んでしまうことです。どちらも、直す、ために必要なことはゆっくり動作をすることと、次の動作を頭の中で、いい聞かせることです。(例えば、頭を動かさないぞ、意気は切るように吹くぞ)というようにするといいです。
レベルアップのアドバイス 16
吹矢の技術上達には一定の法則があることが、最近わかりました。まず入会時から上手な方は、あるレベルに達すると必ずスランプ状態がきます。原因はわかりませんが、集中出来ない内面から来ているようです。その打開策は、朝練習を自宅でやるようにして、集中力を取り戻すしかありません。 次に、練習を重ねていて、ある日ふとひらけたように上手くなる人がいます。その方はたぶん自分なりの感覚がマッチしてこれだと思えたのだと考えます。ところがすぐにスランプがきます。それは型が定まっていないからです。それを直すには基本動作をしっかり身につけ、遠回りしても確立していくのが大切です。次に練習していても、ときどき矢がバラバラになってしまう方です。
それを直してレベルを上げる方法はこの数年多くの人を見てみますと、週に3回少なくとも2回参加している方は確実に上達しています。
つまり練習回数を増やすことしか解決方法はないのだとわかりました。
2019年8月
レベルアップのアドバイス 15
息が一定にできないという悩みの解消方法。
まず、筒を上げるときの3秒で吸えるだけ大きく息を体に入れます。次に9秒かけてゆっくり全ての息を吐き切ります。そして、筒を持ち上げるときに、3秒で吸った量と同じだけ体にいれます。
そして、吸った息の一部を、切るように吐きます。残った息は6秒かけて息を整えるときに吐くと、安定します。
次に、息が安定しても、筒と口の隙間から出てしまうことがあります。それを防ぐにはしっかりくわえます。どうしても緩んでしまう癖が直らない場合は、シリコン製のマウスピースをつけて、歯で少しかむようにしてもいいです。
特に、くわえてすぐに吹く癖のある方は、それが効果的だと思います。
レベルアップのアドバイス 14
的の狙い方 両目で赤丸に焦点を合わせる。
左肘の余裕 左肘を体の中心側に絞る。
ゆっくり 一定のスピードで、グーンと集中力を高める動作に。
身体、頭を不動 的に正対させ動かさない。腰に上半身をどっかり乗せて、
息のみで吹く。
(志賀副理事長からいただいた資料より抜粋)
レベルアップのアドバイス 13
的に対して、正面に顔を向けることが重要です。普段の練習を見ていると、的にまっすぐ顔を向けている方は、半分くらいです。向いていない方の大半は、やや右に向いたまま、吹いています。しっかり正面に向けるようにしないと、その日の調子によってばらつきがあります。
対処方法、どうしても正面を向くことが出来なければ、足の立つ位置を変えましょう。45度より小なくてもいいです。私ごとですが、それが出来ないので、
35度位にしました。それでもなかなか正対できないので、自宅で練習する時に的のところに鏡を置きました。さらに、お風呂に入る前に大きな鏡でチェックしました。
練習を重ねて、一定のレベルになったときに、突然、成績が悪くなることがあります。その原因は大きく2つあり、まず息がしっかり吹けてないこと、それと頭が前につっこむことです。それを修正出来れば元にもどります。
2019年7月
レベルアップのアドバイス 12
練習時には、必ずノートに記録しましょう。その際に悪い成績の時、自分でわかる時はそれも記録します(例えば、息が出ていない、正対出来ない、頭が動くなど)。立ち位置など、わからない時は、人に聞きます。調子が悪いと思える時は、その原因をつかむためアドバイスを受けましょう。上達するということは、基本動作がしっかりできているということですし、それが健康になるということです。それと、大切なことは、他人と比べないことです。自分のペースで、自分らしく楽しみながらやれば必ず上達します。
いずれにしても練習量が大切です。健康のため毎日30分は吹きましょう。
(たくさん練習すれば上手になり、上手になれば楽しくなり、楽しくなれば続けられ、続けられれば、健康で長生きが出来ます)
5年、10年後に吹矢をやって良かったと、自身の体が証明してくれます。
レベルアップのアドバイス 11
試行錯誤しながら、書き綴ってきましたが、参考になっていれば幸いです。今後も思いついたことを記していきますが、ワンポイントで説明するスタイルにしたいと思います。
なかなか上達しないと悩んでいる方が多くいますが、安心して下さい。必ず自分なりにこれだというものをつかめるときがきます。それは時間がかかる程うれしいもので、また価値のあるものです。ただし、それには最低限の条件があります。週に2回は練習会場にくることです。人には色々なタイプがあり、すぐにマスターできる人や、時間がかかる方がいます。大切なことは、マイペースをまもることと、仲間との会話を楽しみながら続けることだと思います。
レベルアップのアドバイス 10
今回は、吹き終わったときに筒先が下がる癖のある方にアドバイスです。まず大切なことは、息を充分体内に入れることです、それが出来ないとどうしても少ない息で強く吹くため、体が動いてしまいます。
次に、吹き終わるまで、特に頭を動かさないと自分に言い聞かせます。そしてしっかり残心を残すようにします。残心を残すということは、最後まで的をしっかり見ているということですし、一本づつ丁寧に吹くことが出来ます。
また、吹いた後に、体がそっくりかえる人が時折います。私も、始めた頃にその癖がありました。それを直すためには頭を壁などにつけて、吹く練習をしたらいいです。いずれにしても上達するための、一番の課題は、頭を動かさないことです。
2019年6月
レベルアップのアドバイス 9
吹矢の技術上達には一定の法則があることが、最近わかりました。まず入会時から上手な方は、あるレベルに達すると必ずスランプ状態がきます。原因はわかりませんが、集中出来ない内面から来ているようです。その打開策は、朝練習を自宅でやるようにして、集中力を取り戻すしかありません。 次に、練習を重ねていて、ある日ふとひらけたように上手くなる人がいます。その方はたぶん自分なりの感覚がマッチしてこれだと思えたのだと考えます。ところがすぐにスランプがきます。それは型が定まっていないからです。それを直すには基本動作をしっかり身につけ、遠回りしても確立していくのが大切です。次に練習していても、ときどき矢がバラバラになってしまう方です。それを直してレベルを上げる方法はこの数年多くの人を見てみますと、週に3回少なくとも2回参加している方は確実に上達しています。
つまり練習回数を増やすことしか解決方法はないのだとわかりました。
レベルアップのアドバイス 8
家の中で、10mの距離をとれる方は少ないと思いますので、とれない方のための練習方法として、筒だけを使った、空吹きを提案します。基本動作と同じように息を吸い、矢を入れずに吹きます。息を一定にする効果もありますが、筒先の動きをよく見ることが出来ます。矢を使って吹くとどうしても、的を見てしまい、筒先の動きを把握出来ません。
さらに、出来れば鏡を(小さくてもいい)目標にすると、正対も確認できるし頭がまっすぐになっているかもわかります。
レベルアップのアドバイス 7
昇段試験であがってしまい、実力が出ない人が多くいます。私自身もあがり症で、試験に何回も失敗しています。経験からアドバイスをしますと、まず、最初に失敗しても、あきらめないことが大切です。それと、基本動作に忠実に戻ってやることが重要です。
特に必要なことは、息がいつものように出来ないので、息を吸うときに、少し早めに多く吸い込む練習をしておくといいです。1本や2本が思うように行かなくても、あわてないで、大きく深呼吸をして練習会場での自分を思い浮かべましょう。
2019年5月
レベルアップのアドバイス 6
矢が的の左右に、偏る人の場合。まず、正面に正対しているかどうかを確認します。それは自分ではわからないので、他の人に見てもらいましょう。原因はいくつかありますが、まず筒がかたむいてないか?を見ます。さらに、立ち位置が、間違っていないかを確認します。
次に矢が上下に大きくぶれる場合の、対策です。大きく、2つの間違いがあります。一つは息が一定でないこと。もう一つは吹くときに頭が突っ込んでしまうことです。どちらも、直す、ために必要なことはゆっくり動作をすることと、次の動作を頭の中で、いい聞かせることです。(例えば、頭を動かさないぞ、息は切るように吹くぞ)というようにするといいです。
レベルアップのアドバイス 5
昇段試験であがってしまい、実力が出ない人が多くいます。私自身もあがり症で、試験に何回も失敗しています。経験からアドバイスをしますと、まず、最初に失敗しても、あきらめないことが大切です。それと、基本動作に忠実に戻ってやることが重要です。
特に必要なことは、息がいつものように出来ないので、息を吸うときに、少し早めに多く吸い込む練習をしておくといいです。1本や2本が思うように行かなくても、あわてないで、大きく深呼吸をして練習会場での自分を思い浮かべましょう。
レベルアップのアドバイス 4
家の中で、10mの距離をとれる方は少ないと思いますので、とれない方のための練習方法として、筒だけを使った、空吹きを提案します。基本動作と同じように息を吸い、矢を入れずに吹きます。息を一定にする効果もありますが、筒先の動きをよく見ることが出来ます。矢を使って吹くとどうしても、的を見てしまい、筒先の動きを把握出来ません。
さらに、出来れば鏡を(小さくてもいい)目標にすると、正対も確認できるし頭がまっすぐになっているかもわかります。
2019年4月
レベルアップのアドバイス 3
今回は、精神論を述べます。好きこそものの上手なれという言葉があります。つまり、物事を成就させる最大のファクター(要素)は本気で好きになることです。ゴルフでも麻雀でも上手くなるには本気で取り組むことが大切です。
健康のためにやっているのだから上手くならなくてもいいという方がいます。確かにそれも間違っていませんが、どんなスポーツでも達成感がなくて長続きはしません。つまり、どうせやるなら、上手くなろうという気持ちを持った方がいいということです。少しでも上達しようという気持ちが健康で長生きできる源なのです。
レベルアップのアドバイス 2
息が一定にできないという悩みの解消方法。
まず、筒を上げるときの3秒で吸えるだけ大きく息を体に入れます。次に9秒かけてゆっくり全ての息を吐き切ります。そして、筒を持ち上げるときに、3秒で吸った量と同じだけ体にいれます。
そして、吸った息の一部を、切るように吐きます。残った息は6秒かけて息を整えるときに吐くと、安定します。
次に、息が安定しても、筒と口の隙間から出てしまうことがあります。それを防ぐにはしっかりくわえます。どうしても緩んでしまう癖が直らない場合は、シリコン製のマウスピースをつけて、歯で少しかむようにしてもいいです。
特に、くわえてすぐに吹く癖のある方は、それが効果的だと思います。
レベルアップのアドバイス 1
的に対して、正面に顔を向けることが重要です。普段の練習を見ていると、的にまっすぐ顔を向けている方は、半分くらいです。向いていない方の大半は、やや右に向いたまま、吹いています。しっかり正面に向けるようにしないと、その日の調子によってばらつきがあります。
対処方法、どうしても正面を向くことが出来なければ、足の立つ位置を変えましょう。45度より小なくてもいいです。私ごとですが、それが出来ないので、35度位にしました。それでもなかなか正対できないので、自宅で練習する時に的のところに鏡を置きました。さらに、お風呂に入る前に大きな鏡でチェックしました。
練習を重ねて、一定のレベルになったときに、突然、成績が悪くなることがあります。その原因は大きく2つあり、まず息がしっかり吹けてないこと、それと頭が前につっこむことです。それを修正出来れば元にもどります。
レベルアップのアドバイス 107
今回は特別編として、このコラムを読んでいる方からの意見の中でとりわけ重要なことをお話しましょう。息についてです。「息は生きるに通ずる」という言葉があります。
吹く時に、大切な息の吸い方ですが、色々な意見があります。ただし、意見の大半は自分のことを中心に考えたものです。例えば、息は出来るだけ多く吸う方がいいという方もいますし、それほど多く吸わなくてもいいという方もいます。どちらが正解かは個人個人の吹き方に違いがあるので一概には言えません。
参考までにお話すると、多く吸った方が安心感を得ることができるから、いいとの考えにはある程度賛成です。ただ、多く吸うということは次の行動、つまり吹く時に身体が動くということにもつながります。
さて、ここから本題です。まず、吹く時の状況を検証してみましょう。大切なことは何を吹くかということです。多くの方を見ていると、間違いがあることがわかります。色々なケースがありますが、まず吹くのは矢だということをしていない方が多いです。つまりわかりやすくいうと、矢を吹かずに筒を吹いている方が多いです。筒を吹けば多くの場合、身体が動くために矢の行き先も動きます。
ここで提案があります。「息を活かすということです」わかりやすくいいますと、矢に対して自分の息をしっかり吹くということであり、そのためにはいくつかの条件があります。まずは口に筒をくわえるときに、まっすぐに的に正対することです。それができなければ、矢の中心に対して息をぶっつけることができないからです。次に大切なことは、吹く時に身体を止めることです。それは矢にせっかくの息をのせることができないからです。
今回のまとめは、矢の中心に自分の息を乗せるということで、そのための方策は
自分の息を活かすということです。つまり、息を矢にのせるということが大切なのです。
レベルアップのアドバイス 106
的に対して礼をした後に、45度に身体を動かします。その時にどのように立ち位置を決めるかというお話です。
まずは自分なりに立つ位置を決めてみます。普通の状態であれば45度の方向を決めてゆっくり顔を正対した時に、首に少しの痛みが感じられるところが正面になるはずですが、人によっては45度の角度から正対するのは難しい場合も多くあります。
その場合は、他人に真後ろから見てもらい、左右の耳が同じ大きさになるところを決めて、45度が難しい場合は角度を変更してください。ただし、肩を動かさないで正対するというのが、前提であることは認識しておいてください。
自分の角度が決まったら、毎回同じように正対できるように赤い5点の2時と10時を一緒に両目で見るように心がけましょう。矢が左右にばらつかないようにするためには、いつも同じ速度で顔を動かすようにした方がいいと思います。それが上手くできない場合は、9秒で筒を下ろすときの速度と同じにするという方法もあります。人によってはサッと早く顔を動かす方もいますが、その場合は次の筒を上げる速度も同じにした方が、リズムがあり一定になります。
結論としては、自分なりの安定した速度をつくることが大切だということです。
レベルアップのアドバイス 105
練習していて急に思うように吹けなくなるということが誰にでもあります。原因は個々に異なりますので、すべてに当てはまらないかもしれませんが、当人にとっては深刻で大切な問題なので考えてみましょう。
今までと同じように息を吐いて吸っている筈なのに上手く行かない場合、それをもとの状態にもどす方法はいくつかあります。順を追って話を進めますが、まずは腹式呼吸を意識することが大切です。具体的には肩の動きを止めて丹田に神経を集中して息を吸いましょう。その時に気をつけるのは、その前の動作、つまり9秒で全ての息を吐き切ることです。しっかり吐いているのに吸えないという方がいますが、全て吐いている「つもり」になっているだけで、一部の息が残っていることが多いのです。
人間は吐き切れば必ず酸素がほしがるように身体が要求するものです。つまり、息を吐くということに、吸うという行為が上手くできるということがはらんでいるのです。さて、息が上手く吸えたら、次はそれを一気に吹くということになりますが、その時に心がけなければならないのは、身体を動かさないで吹くということです。簡単にそういわれても、上手く行かないといわれますが、それをできるようにするために、いくつかの方法を提案します。
まず、吹く前に「残身」をするぞと自分の中でいうこと。次に、身体を止めるためにどこかに神経を集中させることです。具体的には、自分に合う方法を身につけるしかないのですが、例として、頭のうしろ(首のうしろ)に気持ちを集中させること。筒を持ちあげた時に左手の中指に神経を持っていき、そこを動かさないと言い聞かせることなどがあります。吹く時の動作を考えた場合、一番いいのは丹田に集中することがいいと思います。その際、大切なのは膨らんだお腹のまま吹くといいです。いずれにしても、的は動きません。となると、的と口との距離を一ミリもつめないということが重要なのです。
レベルアップのアドバイス 104
メンタルトレーニングについて記述してみます。オリンピックで活躍できる方とできない方の違いは、自分の心をどう制御できるかの差で、実力の差ではないのです。そのために必要なのはメンタルトレーニングだと思います。その方法や具体的な個々に変わりますが、一般的に成功するためには自分なりの安心感をどう持つかということになります。人は試験などを目の前にすると、ドキドキします。それは心臓、つまり血液を送ろうとする機能に重圧をかけているからです。
そこで、オリンピックの選手になったつもりで、どう自分の血液の動きを制御するかということを考えてみます。
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まず、筒の端を両手で持ちます。そして大きく息を吸いますそれを何度か繰り返すと、心臓近くの肺に多く息が入るのが分かります。入った息はしっかり吐き出します。
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次に肘と、膝を折ることをします。それによって血液が自然体で流れていくからです。それを繰り返ししてから吹くと力が少しだけ抜けることがわかります。実はこれがとても大事で、水泳選手がプールサイドでしていることと同じで、この運動は身体をやわらかくしていることもありますが実はメンタルトレーニングをしているのです。
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次にもし失敗して3点にいった時の処方せんです。全盲の方が吹矢をしたときに補助員はどこに入ったのかを口頭で伝えます。例えば5点の2時に行ったとか3点の8時に行ったと教えます。すると神経を研ぎ澄まされた方は次に同じ失敗をしないそうです。
そこで、提案なのですが、失敗した時ほど残心を多く残して、心の中で3点の十時といいます。するとそれによってメンタルが鍛えられて同じ失敗がなくなります。
練習時に上記のことを試してみてください。
レベルアップのアドバイス 103
一喜一憂という言葉があります。それがもっとも感じられるのは、私たちがやっている吹矢だと思います。名人といわれる方も見させていただきましたが、同じように吹いても結果が違うことがあるのは、息は一定でないことと、心も一定でないからだと思います。では何故変わるのかということですが、息をして生きている人間は血液を送る速度が一定ではないからです。例えば、血圧を測定しても毎回異なり、時間帯でも変わり、運動した後でも違うのが当然なのです。
では、どうしたら安定させることができるかということになりますが、基本的にはできないのです。当たり前のことを言うなと怒られそうですが、ここからが回答文になるのです。
以前、記載しましたが、赤ちゃんを抱っこひもで抱えたまま吹いたお母さんが皆さん上手に吹けたのは、赤ちゃんを動かさないように身体を止めようという意識が多かったからです。ここに大きなヒントがあります。つまり息が一定にならなければ
他に神経を持って行くことが必要なのです。レントゲンを投影するときに「大きく息を吸って、止めて」といいます。それを吹矢に取り入れたらいいと思います。ここで重要なのは止めるということで、しっかり止めれば息を安定させることができるからです。
これだけでは上手くいきません。お母さんたちが吹いた時に身体を動かさないようにそっと筒を上げて肘に全く力が入っていませんでした。この二つの要素、一度しっかり身体を止めるということと肘の力を限りなく抜けば少し名人に近づきます。
協会で初めて八段位が認定されました。石川茂子さんです。試験前に柏尾さんの講座で練習したそうです。その様子を聞くと、とにかく9秒と6秒を大切にすることに徹していたそうです。つまり前述したように安定させるには基本動作を忠実にするしかないのだと思います。
次回からは、練習時にいい成績でも大会や昇段試験で上手く行かないことを克服するためのメンタルトレーニングの方法について記載します。具体的なやり方などを提案しますので楽しみにしてください。
レベルアップのアドバイス 102
成績が安定しない一番の原因は、いつも同じ息で吹けないことです。それを安定させる方法を考えてみました。まず、吹矢は吹くことが大事と考えている方が多くいますが、実はそれよりもしっかり9秒で吐ききることが重要なのです。それは息をして生きているという根幹にかかわります。つまり吐ききれば酸素がほしくなり多く吸うことができます。
次に、この時にどう腹式呼吸を取り入れるかということが問題です。吹矢式呼吸を取り入れるための方法は肩の力を抜きながら肩を動かさないで吸うことです。ここまでできてもまだ充分な対策にはなりません。それは吹く時に一定の息で矢を吹かなければならないからです。そのために必要なのは切るように吹くということと、筒を吹かずに矢だけを吹くということが大切なのです。
吹き方は十人十色で同じ人はいません。つまり自分の形をどう作るかが課題なのです。上手くいかないときにどうしたらいいかとよく聞かれます。
その時に話すことはいつも同じで、このアドバイスを読み返してくださいと言います。必ずヒントが含まれていますので自分がこれを試してみようと思い、実験することです。それを繰り返しているうちに自分の形が見えてくるはずです。それは一長一短には出来ませんが必ず自分をほめたくなる時がきます
最近、多くの方を見ていていくつか気づくことがありました。それは筒を上げるときに右手に力が入るために、平行に上げられない方は吹く時に筒先が動くということです。分かりやすくいいますと、しゃくり上げをする方は左手に力が残ったまま吹くのでばらつきが多くなります。それを少なくする方法はいくつかありますが、筒を上げるときに両方の手の肘で上げるようにしたらいいと思います。手で上げる気持ちがあるとどうしても支点の左手の力が抜けていません。表現するのは難しいのですが左手は優しく『お金ちょうだい』とそっと差し出すようにしたらいいと思います。
レベルアップのアドバイス 101
八段位試験の審査をさせていただきました。個々のことは申し上げられませんが、私たちにとって参考になることが多く分かりましたので、記述してみたいと思います。今回は4名の方が挑戦されましたが、まず基本動作はそれなりにしっかりされているということがわかりましたが、合格点に対して誰もが認める方は一人もいませんでした。
つまり、本当に美しく流れるような基本動作は難しいということです。
次に、4名の方の吹く時のことですが、筒を上げて吹く前に右手の握りを少し緩めていました。それはあるリズム、力を抜いて吹くということを意識しているのではないかと考えています。意識してやっているのかどうかは分かりませんが、右手の力を抜きながらも水かきをそっと添えていることがわかりました。
八段位を受験する方は相当な高いレベルにいますが、それでも5点に外すことがあります。それをつぶさに分析しながら審査しました。それは意外に簡単で外したときは筒を上げるときに肩が少し動いています。つまり、いつもと同じように腹式呼吸ができていないのだとはっきりわかりました。
もう一つ、気づいたことがあります。それは5点に外したときに6秒を早めないことと、次の矢を吹くまでの動作が少しゆっくりしています。六段位と七段位の差はそれなのだと思います。
また、同時にした七段位試験の受験者との違いは明らかで、礼に対する気持ちが違うように思いました。丁寧という言葉は裏切らないということなのかもしれません。七段位を受験した方は失敗した時の動揺が大きく、持ち直すことができていません。練習を多くやるということも大事ですが、丁寧に一矢入魂することが上達の基本なのだと思います。
レベルアップのアドバイス 100
このコーナーもいつの間にか100回目になってしまいました。支部のホームページに掲載されていることもあり、全国の方が読んでいるようです。
「たかが吹矢、されど吹矢」楽しむことが原点ではありますが、このスポーツほど奥が深いものはないと感じています。それは上手く行ったり行かなかったりといつも同じではないからです。心技体という言葉は、どのスポーツにも通じるものですが、吹矢ほどそれが重要で難しいものはありません。
息が重要なのであれば毎日の生活にしっかりとしたリズムがあり健康的な時間を多く過ごすことが大切なのだと思います。成績にばらつきがあるのは心技体が備わっていないからだと考えています。とはいえ人間は悩みを抱えて生きているのですからそう簡単ではありません。ただ何ごとも同じだと思いますが、本気モードという言葉のとおり、練習を開始するときの気持ちの切り替えが練習を充実したものにさせます。つまり、例え練習でも今日はここをテーマにしようというように考えることです。どうしても点数のことを気にかける方が多く、私のところへの相談でも、何点取れたとか何点が取れないという話が多くあります。大切なことは自分なりのこれといった吹き方が多くできることなのです。
誰でも経験がある筈ですが、矢が伸びて真ん中付近に刺さった時に、いい音が響きます。それは的がほめてくれているからです。その時の感触を忘れずに、その音を聞けるようにしてください。
さて、100回目の挨拶はこの辺にしてアドバイスを記載しましょう。
「正対の大切さ」何度かお話しましたが、的に対して正対することが何故大切なのかを考えてみましょう。私自身のことを話しますが、子供の頃からものを見るときに頭を右側にかしげて、左耳を前に出すようなクセがありました。テレビを観るときもいつも同じ姿なので、母親から右耳の聴力が悪いのではないかと言われました。その後の聴力検査で左右ともに正常なので、首をかしげるくせなのだと分かりました。
吹矢をはじめたときも同じ形で吹くクセは直りませんでした。それでも8mの距離くらいまでは、何とか誤魔化しながらも昇段できたのですが、今は亡き尊敬する志賀先生から正対することと、吹くときに前に身体が動くことを直さないと高段者にはなれないといわれたので、とりあえず正対することを目標にして自宅で練習することにしました。その折に、的の下に鏡をおいて正対して吹くことを身につけるようにしたのですが、鏡がなくなると、また元に戻ってしまいます。その繰り返しを半年間続けてやっと身につきました。その後もフィットネスジムの大鏡で2年間毎日
確認したことが今に繋がっているのだと思います。
さて、これからが本題です。何故、的に対して顔をまっすぐ向けないといけないのかということから考えます。
まず、正対していないときには、筒をくわえるときに口の中心に来ていないことが多く、矢の中心に息が吹けていないことがあるのと、目だけが的を見るということになります。そのような形で吹くと矢のバラツキがあるのと、矢が筒を通過するときに抵抗が多いので矢が伸びなく下に落ちることがあります。
次に正対する方法ですが、一般的には的の赤い部分を意識するのがいいとされていますが、人によっては的本体のグリーンを見る方もいます。これはあくまでも私が多く実験した経験からの見解ですが、赤い部分の上部(時計の2時と11時)を同時に見るというのが一番安定すると思います。
吹矢にとって的に正対できれば、数十点のご褒美があると思います。
レベルアップのアドバイス 99
矢の行き先が安定しない方へのアドバイスです。
まず安定しない原因を考えなければなりません。もちろん、個々に異なる原因があるので、すべてが当てはまるわけではないと思いますが、ここでは共通した問題を考えてみます。
まず一番重要なことですが、息が一定でないことです。つまり、吹くために必用な吸うということを考えてください。私たちは生きていくために必ず呼吸をします。
その原点は、吐いて吸うということですが、実はこれが吹矢にとってとても大切なことなのです。では具体的どうしたらいいかということですが、基本動作にリズムを持つことだと考えています。リズムとは規律のことで、わかりやすく記載しますと力を入れず自然に動作をしながらも、意識だけはしっかり持ち心で吹くことです。
とはいえ具体的にどうしたらそのリズムをつくれるかということになります。ここからは視点の違いもありますので、必ずしもすべての方の参考にならないかもしれませんが、目標が高い方のためにあえてお話します。六段位や七段位である程度極めたと思われる方を見て感じるのは、いい点数を取るというより自分なりにいい吹き方をするというのが感じれられます。
技術的な理論は当然必要ですが、もっとも大切なのは、自分なりのリズムをつくることなのだと考えています。吹矢は好きな方が上手くなるのではなく、上手くなりたい方が好きになるのです。誰でも経験しますが、上手く行ったと思う時があります。その時に大切なことは、それをこれだと強く意識することです。それでも凡人は次にまた失敗をします。ここが勝負です。上手くできるはずだと自分に暗示をかけてください。実はその繰り返ししか、吹矢の上達はないのかもしれません。そのためには、自分なりの特別な練習(自宅で毎日吹く)をしなければなりません。
練習には課題を持つことが大切です。高段者の方の練習方法としては、筒を上げるときに肩の力を抜くということと、吹く時に丹田に神経を集中するというようなことを言い聞かせながらやってください。
レベルアップのアドバイス 98
今回は高段者へのアドバイスですが、すべての方に関係しますので、参考にしてください。練習時や試験、大会などで失敗した時の処方箋です。失敗は誰にもあります、問題はそれを少なくすることです。そのためのアドバイスをします。
ある程度の年月、吹矢を続けられた方は、吹くという基本が出来ています。となると思いがけないところに矢が刺さった時に、何が悪かったか自分で判断することができます。例えば、体が前に動いたとか、正対しなかったために左右に行ったということなどですが、その時に恐らくほとんどの方が次に吹く時に考えるのは、そこを修正しようと思うものです。実はそれは大きな間違いで、それを直すという考えでは、同じ間違いを犯します。それは直すために力が入るためです。それを防ぐ方法があります。それは直すために筒を上げるときに、今まで以上に肩の力を抜くということです。つまり、失敗を直すには原因をなくすと同時に肩の力を抜かなければいけないということなのです。
それは他の技術的なことにも関係します。吹矢でもっとも重要な息を吸うということで、それが上手くできない時の処方も同じなのです。吸えないということは吐けないということに繋がります。つまり、9秒でしっかり吐くということが重要で、そのために大切なことは吐ききるという意識が大切です。人間は吐ききれば生を保つために大きく吸うことができます。それが実は吹矢にとって一番重要なことなのです。
以前、お話しましたが、吹矢で大切なのは吹くことだと考えている方が多いと思いますが、実は高段者にとってはしっかり吐くことが重要なことなのです。
次に、長年協会本部で高段者試験の審査員をしていて感じたことをお話します。もちろん一人一人の違いがありますので、参考程度になりますが、失敗したあとの基本動作に多くの問題がはらんでいます。間違いを続けない方は、吹き終わった後の6秒を大切にしています。もう一つ付け加えますと、次に吹くために所定の立つ位置に早くついています。それは心理的にも呼吸を調えるいい時間だからです。
次回は、矢がどうしてばらつくかということと、その処方箋をお話しします。
このコーナーを読んでいる方からの質問の中から、一つのお答えをします。
筒のもち方についてです。まず左手ですが何度かお話ししましたが、優しく「お金ちょうだい」と筒を上げてください。その時に気持ちとしては少し肘を折るようにすると力が抜けます。筒は平行に上げて絶対しゃくらないでください。しゃくるということは必ず左手に力がこもった状態になるからです。筒を上げるときに筒先を上げながらやると左手に力が残っていることがわかります。
次に気をつけるのは左手のひらです。筒はそっと掌にのせますが、その時に忘れていけないのは、手のひらはまっすぐ平にしてください。そうしなければ吹いた時に支点が動くからです。柔らかく筒をのせるために、そっと人差し指と薬指を数ミリ持ち上げてもいいです。それは掌にしっかりのせるためで、安定します。その時に中指の先をそっと筒に触るようにしてもいいです。さらに筒は手の甲に少しだけ触れるようにしたらいいと思います。
さて質問のもっとも重要なことにお答えします。
右手の筒の持ち方です。何が自分に一番いいのかは実は個人個人によって変わります。例えば、吹く時に全く体が動かない方であれば、右手はほとんど触らないくらいでいいのです。でも、多くの方は少しの動きがありますので、優しく包むようにしたらいいと思います。かなりの高段者の中には、一度軽く包んだ後に少しそれを緩める方もいます。それは力を抜くためです。いずれにしても大切なことは吹く時に肩の力をどう抜くかということです。
結論として一番いい方法はそっと包みながらも力を抜くことだと思います。そのためには筒を上げるときにいかに力を入れないかということが重要になります。ここで一つの提案ですが「筒は上げないで、そっと支えるという気持ち」にしてください。
前述の基本動作の最後のところを再読してください。基本動作の文面は独自のものであり、時々変更してあります。ここにも重要な要素が含んでいますのでいつも同じだと読み流さないでください。
レベルアップのアドバイス 97
吹矢にとって体を止めて吹くことが重要だということは、誰もが認識しています。しかしながら止まらないという方が多くいますので、どうしたらいいかを考えてみましょう。
まず、止められない原因から検証しなければなりません。止まらないのはいくつかの要因がありますが、一番大きいのは吹く時に力が入っていることです。ではどうしたらそれを防ぐことができるかということを考えてみましょう。そのために力を抜くことが大切です。それは後から記述します。
身体を止めるときに大切なことを考えてみます。以前、赤ちゃんを抱えたまま吹いたお母さんの身体がゆれなかったという話をしました。それは赤ちゃんを守るためにできるだけ身体を動かさないという意識が働いたためです。つまり、それをやればいいと思います。
さて、どうするかのアイデアを考えてみました。誰でも一度は経験があると思いますが、釘をもってカナヅチを打つときのことを思いうかべてください。釘の位置が変わらないように、そっと動かないように持ち、カナヅチは慎重に振り下ろします。つまり、吹く時に左手は釘を持つようにそっと持ち、吹くのはカナヅチを扱うようにすればいいのです。
ただそれだけでは上手く行きません。そこでたとえ話をします。「たたき大工」という言葉があります。それはまだ素人に近い大工さんがやる仕事のことで、釘を板などに打ち付ける仕事です。それが一人前にできるようになると、カンナ掛けをさせてもらえます。カンナ屑を見れば一流の職人かどうかがわかります。つまり、腕のよい大工さんのカンナ屑は見事なまでに同じ厚さで長いものです。ではどうしたらそのようになるかということですが、一流の大工さんはカンナを引く時に手を使わずに肘を使います。つまり力が抜けた引き方をするのです。
それは吹矢も同じです。筒を上げるときも、下げるときも肘を使うことが重要なのです。中には力を入れた方が安定するなどという方もいますが、それは大きな間違いです。もう少し、具体的にわかりやすく説明しましょう。カンナの刃の研ぎ方です。ここでは多くの方が経験している包丁の研ぎ方を考えてみましょう。それを上手く研ぐ方法は実は簡単で、手で研がずに肘で研ぐことです。ぜひ、試してください。ついでにお話ししておきますが、カンナ掛けの一番難しいのは「手斧」(ちょうな)を使うことで、カンナが使えない梁などをつくる時に使うもので、それが使える方は一流の職人ということになります。それは、肘を使うだけでなく腰も柔らかく使えないとできないからです。それは基本動作の中で動かないけどやわらかい腰使いにつながると思います。
これは宮大工だった父親から習ったことですが、吹矢に役立つとは考えていませんでした。
さて、本題にもどりましょう。身体を止めて吹くために大切なことは、肘を上手く使い力を抜いて、吹く時に自分なりの止める手段を決めることですが、両方の手の力を抜くための手段として釘を打つときのことを試してほしいと思います。
緊張感に打ち勝つには職人技を身につけるしかないと思います。
レベルアップのアドバイス 96
前回のつづきですが、腹式呼吸の大切さについてです。多くの方を指導していてわかることがあります。それは、基本動作の中で自分が中心だという考えの方が多いことです。わかりやすくいいますと、筒と矢に対して尊敬の念がないことです。つまり、自分が吹くのだから思いの通り矢が動けという傲慢な気持ちがあるということです。では、どうしたらいいのかということですが、それは簡単なことで、線路とも思える筒は大事に扱い、矢には自分の気持ちをのせるということなのです。
さらに突き詰めると、矢が刺さる的の気持ちを知ることです。真ん中に入りいい音を立てるのは、的がほめてくれているのです。つまり的が喜んでくれる吹き方をすれば自ずと成績も上がるはずです。いい音が響いた時に「よっしゃ」と的が答えてくれます。
少し本題からそれたようですが、何故、腹式呼吸が大切でどうすればいいのかということにもどります。前回の記載で腹式呼吸の大切さは理解されたと思いますので、一歩先に進みます。すぐには分かっていただけないかもしれませんが、参考にしていただきたいことがあります。フジタカ支部の練習時は、お話ししましたが、この吹矢通信は、今や全国の方が読んでいますので、記載します。
10月の協会本部での昇段試験時のことをお話します。審査員の私が昼食を終えると、午後の受験をする方が二人早く来て待機していました。お二人とも何度か私が審査員時に受験された方だったので、ルール違反とは思いますが、近寄っていき小声でささやきました。「緊張していますか?」「もちろん緊張していますよ」
「緊張をなくすことは出来ないですが、今日は私の言う通りやってみてください」
といい、「筒を上げるときに、お腹、丹田に気持ちを集中してください」
と言いました。
その日の試験は三段位から六段位まででしたが、結論から言えば十数名の内、私がアドバイスした二人だけが五段位に合格しました。終了後に聞くと、二人とも7回、8回も受験していたそうで、とても喜んでくれました。ここまで書き進めればお分かりだと思いますが、私がアドバイスしたのは腹式呼吸で試験にむかえということです。
レベルアップのアドバイス 95
吹矢にとって、もっとも大切な腹式呼吸での吹き方についてお話します。
まず、いい成績が出るためだということを棚に上げます。健康にいいために腹式呼吸が、何故必要なのかを検証してみましょう。椅子に座って大きく胸に息を吸ってみてください。そしてそれを吐きます。これでも深呼吸であれば体には充分いいのですが、次に肩の動きを止めて同じようにお腹に吸うようにしてください。そしてそれを吐きます。その時に内臓に少しの負荷がかかると感じるはずです。それはインナーマッスル(内臓)を鍛えることになるのです。
実はこれが、吹矢が健康にいいというゆえんなのです。内臓に負荷をかけるということは免疫力を高めるという重要な要素です。
次に吹矢体操について考えてみます。
この体操を考えた方から直接お聞きしました。その方は障がい者に対する特別な考えを持っていて、元教員だった方で、誰もができて健康に必要な要素を多く入れたといわれました。体操自体は身体を動かすのが目的ですので、普通の呼吸でいいのですが、動作をするときに丹田に気持ちを集中すると腹式呼吸になります。フジタカ支部の練習時の体操で、頭と首を動かす動作は同じことを2度繰り返しています。それは林誠さんからの提案です。
さて、前書きが多くなりましたが、何故、腹式呼吸で吹かないといけないかということと、成績にどう繋がっているのかを検証してみます。管楽器を演奏したことがある方は分かりますが、腹式呼吸で演奏しなければ吐き出す息が安定しないからで、ブレスなども上手くできません。一般には身体の動きを上手く制御するためと考えられていますが、実はもう一つ重要なことがあることを認識してください。それは胸式呼吸で吹くと心の安定感がなくなるので体も動くけど、実は神経系統に悪い影響があります。それは大会や試験での緊張感に繋がります。
では腹式呼吸の何が神経系統にいい影響があるのかということですが、それは副交感神経が働くからです。つまり安心感を持てるからに他なりません。
呼吸を変えるのは簡単にはいきませんが、時間をかけてでも少しずつ直していきましょう。具体的な方法を考えてみます。まず、3秒で筒を上げながら息を吸うときに身体の力を抜いて、肩をうごかさないでお腹に息を入れると意識してください。
次は筒を上げるときですが、肘の力を抜いて肩を動かさず丹田に神経を集中させて意識としては、お腹にしか息を入れないくらいの気持ちをもってください。最後ですが吹くときに、お腹の息で吹くと言い聞かせてください。丹田に気持ちを集中するのもいい方法です。簡単には修得できないと思いますが自分なりに完成させてください。